処刑メモリアル。 ページ39
「更に言えば、もう一人の人狼の正体は稲妻さん……って、どうっすかね？」
「え？ おれ？」
付け加えたＫに、稲妻は意外そうに少しだけ目を見開いた。
「くらげさんは、あんたを占って、村人だったって証言したでしょ。あんたがもう一人の人狼で、自分と相方の両方が疑われないように計算したんすよ！」
「なるほど」
特に不満そうにする様子もなく、稲妻は無表情に頷いた。
「彼女が本当に人狼なんだとしたら、その可能性はあるね。それで？ 投票はどうするの」
今までの話し合いで人狼の候補に上がったのは、偽予言者と思われるくらげさん、くらげさんが占って村人だと言った稲妻、恐らく偽予言者のアンナさんが人狼と判定した俺。この中で一番、人狼である可能性が高いのは……。
「……や、やっぱり……く、くらげ姉さん、だよね……？」
「……！！」
くらげさんの表情に、戸惑いと焦りが混じった。それから、ゲームマニアらしき彼女には意外な、怯えたような表情も。
「……ち、違うって！！ わ、私は違うよ！！」
「そんな事言われても、信じられないな。人狼だから誘導しようとしていた、というくじらの考えもしっくり来るしね」
稲妻のどこか冷たい口調は彼本来のものなのか、それとも意図も簡単にくらげさんを切り捨てて、自分は人狼ではない事を証明するためか。
「……私は、人狼じゃないんだよ。信じてよ」
くらげさんがふと、俺を見つめた。
「くじらくんなら、信じてくれるかな？ 私は、確かに予言者じゃないよ。でも、予言者って言った方が、皆が従ってくれると思ったの」
そこには先程までの、生き生きとした明るい彼女はいなかった。挫折しそうになりつつも諦め切れずに、最後の希望を持った瞳で俺を見て来る。
「稲妻くんだって私を疑ったら、私と稲妻くんが人狼だって疑われちゃうよ。それでも良いの？」「良いよ、別に。おれ、自分にかかった疑いは、自分で晴らせる人だからさ」
余裕そうに彼は答えた。「くじらはどうするの」と、稲妻の視線までもが俺に向けられる。
「……俺はくらげさんに投票するよ。皆をリードしようとしているとか、偽の予言者を名乗るとか不可解な行動が多過ぎるんだ。俺は、くらげさんが人狼だと思うよ」
俺と目が合った稲妻は少しだけ、満足そうな笑みを口元に浮かべて頷いた。くらげさんはもう何も言わなかった。
「……」
「……これで、決まりですね」
サクラさんが、イルカと同じように、笑顔でそう言い、ボタンを押した。
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くろーさぎ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます……！！そう言って頂けると大変励みになります！閲覧ありがとうございます！(* > <)ﾍﾟｺﾘ (2019年8月10日 17時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - こんにちは。面白くて一気読みしました！普段、恋愛系の作品しか読まないのですが、こういうのも良いですね。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月10日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ランさん» コメントありがとうございます！！はい、更新頑張らせて頂きます！閲覧ありがとうございました！m(_ _)m (2019年7月2日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - イベントの方から来ました。読ませてもらいましたが、人狼ゲームのお話はあまり読んだことがなかったのでとても面白いと感じました。更新楽しみにしています♪ (2019年7月2日 15時) (レス) id: 48cb23a0f9 (このIDを非表示/違反報告)
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