平和デストロイ�� ページ30
「は……！？」
絶句する俺の手の中で、スマホの真っ黒な画面に、見覚えのある赤い文字が表示されていく。
『貴方は人狼ゲームの参加者に選ばれた。貴方は人狼ルームに入る必要がある。何故なら貴方には素質があるからだ。ゲームで生き残るべき未来があるからだ』
「……い……生き残るべき未来って……」
何だよ、と叫びたいのに声が出なかった。焦りと不安を無視して、血文字は進んでいく。
『貴方をこれから人狼ルームに招待する。貴方にはそこで二度目の人狼ゲームを受けて頂く。これは通常のゲームとは違う。貴方にも危険が迫っている』
(……危険って、本当に死ぬかもしれないって事だろ……！！ ふざけんな……)
イルカやオオガミに助けを求めたくて、でも俺の視線はスマホの画面から離れてくれなかった。
『貴方は生き残らなければならない。協力しなければならない。裏切らなければならない。正体を暴かれてはならない。貴方がたこそが今回の主役だから』
ズキン、と頭部に鋭い痛みが走った。波のように何度も痛みが押し寄せ、うつむく俺の視界が徐々に遠くなる。スマホに示された赤い字が見えなくなっていく。
『検討を祈る』
椅子から崩れ落ちた俺が最後に見たのは、手にしたスマホから視線を外し、驚いたようにこちらを見るオオガミの姿だった。
『――おい』
暗闇の中で、誰かに呼ばれた気がした。
『大丈夫か、“くじら”？ ……まァ、大丈夫だよな。あの程度の痛みならな』
酷く片言で、違和感のある喋り方だった。無機質で、機械的な話し方。
『早く起きた方が良いぜ。オレが言うのもなんだけど、テメェ、良い役貰えてンじゃん』
感情の込もっていない声で、そいつは笑った。
『二回目のゲーム、頑張れよ。協力して、裏切って、生き残って――』
「……はっ！？」
目覚めた俺がガバッと顔を上げると、そこは灰色の殺風景な部屋だった。
「ここは……」
窓は無く、向かいの壁に真新しい銀のドアがあるだけ。そして、真ん中に設置された円テーブルの中央は、モニターだった。
「……人狼ルーム、か」
テーブルを挟んで置かれた二脚の椅子の一つに、俺は座らされていた。テーブルに突っ伏して寝ていたせいで首が痛いが、頭は痛くなかった。ここが仮想空間である証拠だろうか。
「……あのー……」
もう一つの椅子には、中学生ほどの少年が、俺と同じような体制で眠っていた。
「……ん……」
俺に揺さぶられ、少年はゆっくりと目を開けた。
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くろーさぎ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます……！！そう言って頂けると大変励みになります！閲覧ありがとうございます！(* > <)ﾍﾟｺﾘ (2019年8月10日 17時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - こんにちは。面白くて一気読みしました！普段、恋愛系の作品しか読まないのですが、こういうのも良いですね。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月10日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ランさん» コメントありがとうございます！！はい、更新頑張らせて頂きます！閲覧ありがとうございました！m(_ _)m (2019年7月2日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - イベントの方から来ました。読ませてもらいましたが、人狼ゲームのお話はあまり読んだことがなかったのでとても面白いと感じました。更新楽しみにしています♪ (2019年7月2日 15時) (レス) id: 48cb23a0f9 (このIDを非表示/違反報告)
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