平和デストロイ�� ページ29
「……そんなの」
俺は再びゲームに強制参加させられて、そこで命を落とす事になる？ 不審死が連続して起こる、通称“ゲノム事件”に、俺も巻き込まれる？
「そんなのって……」
呟いた俺の声は震えていた。有罪判決を下された被告人のように、俺は目の前の現実を、未だ信じられないでいた。
「……そんなの……！！」
気づくと俺はバン！！ とテーブルを叩き、立ち上がってイルカの胸ぐらを掴んでいた。
「お前のせいじゃないか！？ お前が俺をゲームに招待したから！！ だから、命を狙われる羽目になったんだろ！？ だったら、お前のせいじゃねぇか！！」
店内にいる多くの人の目が、何事かと俺達に突き刺さった。イルカはさほど驚かず「落ち着いて。皆が見てるよ」と俺をなだめる。
「最初に言ったよね、謝らなきゃいけないって。僕が君を招待しなきゃ、君が人狼症候群にかかる事も、ゲノム事件に巻き込まれる事もなかったんだ。そのお詫びと言ってはなんだけど」
本気で詫びているのか、疑いたくなるような笑顔で、イルカは言った。
「僕のサークルに来ない？ ゲノム事件について話し合ったり調べたりしているから、何か分かれば君を助けられるかもしれない」
「……何か分かればって、詳しい事は分かっていないって言ってたよな？」
「そうだけど、皆専門家だから、何もしないより安全だと思うよ。こうなったのは僕のせいなんだし、出来る限りの事はするよ」
ごちそうさま、とイルカは飲み終わったシェイクを置き、俺をちらりと見やって立ち上がった。
「片付けて来る間に、入るかどうか決めておいて欲しいんだ。急な話で悪いけど、僕も責任を取りたいからさ」
「責任って……」
イルカが人混みを掻き分けて行くのを見ていると隣のオオガミが「……煙草吸って来るわ」と立ち上がり、混み合う店内をくぐり抜けて、店の外に出て行った。
「……はぁー……」
椅子にどさっともたれかかり、俺は天井を仰いで考えた。
(人狼ゲームの参加者が死ぬ事件が起きてて、俺がその被害者として狙われてる……？)
現実味が無さ過ぎる。俺の周りにはたくさんの人がいるのに、皆は俺が命を狙われている事を知らない。俺だけ時間が止まったかのように、俺は急にどうしようもない絶望を覚えた。
「……俺は」
ヴーッヴーッヴーッ……。
その時、ジャージのポケットの振動と共に、音が鳴った。
スマホのバイブ機能だ。その画面に、俺の心臓は凍りついた。
――『人狼ゲームへの招待状』――
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くろーさぎ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます……！！そう言って頂けると大変励みになります！閲覧ありがとうございます！(* > <)ﾍﾟｺﾘ (2019年8月10日 17時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - こんにちは。面白くて一気読みしました！普段、恋愛系の作品しか読まないのですが、こういうのも良いですね。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月10日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ランさん» コメントありがとうございます！！はい、更新頑張らせて頂きます！閲覧ありがとうございました！m(_ _)m (2019年7月2日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - イベントの方から来ました。読ませてもらいましたが、人狼ゲームのお話はあまり読んだことがなかったのでとても面白いと感じました。更新楽しみにしています♪ (2019年7月2日 15時) (レス) id: 48cb23a0f9 (このIDを非表示/違反報告)
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