平和デストロイ�� ページ28
「ゲームが終わった後、僕の元にルームマスターからメールが届いたんだ」
イルカは水色をしたスマホを取り出し、メールを俺達に見せた。
『人狼症候群は止まらない。ゲノム事件は終わらない。この人狼ゲノムは永遠に続く』
「この“人狼ゲノム”っていうのが分からなくて。あ、ゲノム事件っていうのは、うちのサークルの部員が、一連の不審死の事をそう呼ぶんだ」
「サークル？」
「うん。くじらくんは何か入ってないの？」
俺が、何も入ってないけど、と返す前に、隣からオオガミが「んな話、今はどうでも良いだろ」と論点を正した。
「ゲノムってさ、DNAの持っている全ての遺伝子情報の事をいうんだよね？ 理系じゃないから、あまり詳しくはないけど」
「さぁ……俺も、勉強はあんま得意じゃないからな……で、そのメールの続きは？」
『ゲノムの連鎖がもうすぐ始まる。意味するのは終焉。
ゲノムの連鎖。二度目のゲーム。意味はよく分からなかったが、それが何やら恐ろしく不吉なものを意味する事に、俺もオオガミも感づいていた。
「事件が終わらないって事は多分、くじらくんが次のターゲットにされたんじゃないのかな」
「はぁ！？ やめてくれよ、俺は巻き込まれたんだぞ！」
「そんな事言っても、この事件は全ての人狼症候群患者に降りかかるだろうし、僕やオオガミくんが例外でないなら、君も含まれるんだよ。ルームマスターとは連絡が取れなくなっちゃって……」
そう言って、ため息をつくイルカ。だが、ゲームに俺を巻き込んだのはこいつじゃなかったか？
「そういや、どこで俺を知ったか聞いてなかったよな」
「……知人の紹介だよ。今はそれ以上は言えないかな……」
「その知人が、ルームマスターだったりしねぇのか？ 個人的にこいつを恨んでて、人狼症候群にかからせて、その事件……ゲノム事件だったか、の手口を模倣して殺すつもりじゃ……」
オオガミの意見は至って現実的だったが、生まれてこの方、他人に死ぬほど恨まれた事など記憶に無い。善ではないが悪でもない、中立の人間だ。
「知人はルームマスターじゃないよ。……恨んでいるなら、君を近いうちにルームに誘うかもね」
「え？ な、何で？」
「人狼ゲームでお前を処刑し、現実世界に意識が戻って来ねぇようにすれば、お前を死んだ事に出来るからだろ」
俺の背を、冷や汗が伝い落ちた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くろーさぎ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます……！！そう言って頂けると大変励みになります！閲覧ありがとうございます！(* > <)ﾍﾟｺﾘ (2019年8月10日 17時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - こんにちは。面白くて一気読みしました！普段、恋愛系の作品しか読まないのですが、こういうのも良いですね。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月10日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ランさん» コメントありがとうございます！！はい、更新頑張らせて頂きます！閲覧ありがとうございました！m(_ _)m (2019年7月2日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - イベントの方から来ました。読ませてもらいましたが、人狼ゲームのお話はあまり読んだことがなかったのでとても面白いと感じました。更新楽しみにしています♪ (2019年7月2日 15時) (レス) id: 48cb23a0f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
