1話 - 1 ページ2
.
友達の理子の買い物に付き合った帰り道、不良に絡まれて困っていた女の子を助けて、私は自分の住むアパートへ歩く。
私、桜宮Aは、東京のとある地域を仕切っている3代目桜宮家の一人娘だ。
私に真っ当な人生を送って欲しかった両親は、私に千葉の高校を受験させ、千葉で一人暮らしをさせた。
だけど、私はヤクザの娘。学校で一番仲良い理子にも言ってない。割と大きい組である桜宮家の一人娘が、付き人も付けずに一人暮らしをしているなんてことが、敵対する組にバレたら……。
「考えただけで恐ろしいわ」
私は歩きながらぶるっと身震いした。
両親もそのリスクを心配しなかったわけじゃない。
実際、ママが一緒に千葉で暮らそうとした。でも、そうしたら付き人として必然的に組の誰かも付いてくるわけで。
「これじゃ普通になれない!」と嘆いていたママに、私が「何も問題起こさないから、1人で暮らす」と説得した。
ヤクザとつるんでるツッパリも居るこの世の中だから、私はツッパリとできるだけ関わらないようにしている。大人しくしていたおかげで、私は何事もなく2年生になれた。
さっき金髪のツッパリに肩がぶつかって、もはや白目では……と思うほど睨まれた時は正直少し焦った。
でもまぁ、もう関わること無いと思うけど。
もしもの時の自衛のため、私は小さい頃から身体の使い方をパパに教わってきた。
ただ、パパは「弱い人や仲間を守るために身体を使いなさい」と口を酸っぱくするほど言っていた。
理由も無く人を殴るな、無駄な争いはするな、と。
だから私は、ナンパや弱いものいじめを見かけた時は、何の躊躇も無く突っ込んでいく。
本当はそういうこともしない方が安全だけど、パパからずっと叩き込まれた正義の味方の教えのおかげで、そういう状況を見ると居ても立っても居られなくなる。
ツッパリ同士の喧嘩は知らん。
あんなのは勝手にやってればいい。
次の日、私の運命が変わるとも知らずに、呑気にそんなことを考えていた。
375人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こいずみ(プロフ) - 青龍 葵さん» コメントありがとうございます!返事が大変遅くなりましてすみません、、!!久しぶりに更新しました。またお楽しみいただけると幸いです!! (2021年10月21日 23時) (レス) id: 64da7f082c (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 更新を楽しみにしてます。 (2021年5月3日 5時) (レス) id: e10675e39d (このIDを非表示/違反報告)
こいずみ(プロフ) - hiroさん» ありがとうございます!! (2020年8月18日 11時) (レス) id: 64da7f082c (このIDを非表示/違反報告)
hiro - とても面白かったです!更新楽しみにしています!頑張ってください! (2020年8月14日 1時) (レス) id: ed14337de3 (このIDを非表示/違反報告)
こいずみ(プロフ) - 豫さん» 果たしてお家デート(?)なのでしょうか!!笑 きゅんきゅんしていただけて嬉しいです〜!! (2020年8月8日 1時) (レス) id: 64da7f082c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こいずみ | 作成日時:2020年7月31日 16時