第四百三十話 知らない天井 ページ20
目を開けた私を出迎えたのは知らない天井だった。
「 …！」
身体を起こそうとすると、全身、特に足に痛みが走った。筋肉痛どころでは無い程の痛みが私を襲う。ベッドのなかでそれと戦ってしばらくして、扉が開く音がした。
「 よかった。目を覚まされたんですね。」
「 ……看護師、さん？」
病院にいるらしい。そう考えると、目がはっきりと周りの景色を捉え始める。私のベッドの隣にはフルーツバケットが置いてあった。誰かがお見舞いに来てくれたようだ。
私はあの戦いの後、気を失っていた。その後のことは覚えていないが、私を助け出してくれた人がいたらしい。私はその人物が呼んだ救急車で搬送され、この病院にやってきたそうだ。また、ここ数日は原因不明の病によって眠っていたとのこと。
「 誰が…？」
「 若い学生さんのようでした。」
怪盗団のみんな…？
それとも____
「 …あの、私の他に学生で搬送された人はいませんでしたか？」
「 すみません。他の方の情報をお伝えすることはできなくて。」
「 そうですか… 」
私がここにいるということは、彼も同じ状況かもしれないと思ったのだけど、そういう理由なら仕方がない。自分で彼を探そうと、そう思った。
「 手にお持ちだったスマートフォンは、隣のテーブルに置いてあります。それでは、何かあればナースコールでお呼びください。」
スマートフォン。私は隣のテーブルに目を移した。フルーツバケットで隠れていて気付かなかったが、そこには彼女の言うようにスマホが一つ置いてあった。だがそれは私のものでは無い。
「 吾郎の……？」
なんで私が彼のスマホを持っているの…
異世界から帰還する際、このスマホは必須アイテムだ。これがないと、現実世界へ帰ることができない。
悪い予感がしてならなかった。
血の気が引いて、頭がくらくらしてくる。
見たくない現実に直面し、私の身体は無意識にそれを避けるかのように、私を眠りにつかせた。
◇◇◇
「 靭帯断裂…か。」
「 大丈夫なのか、A。」
「 大丈夫！体調は悪く無いし、困ったことと言ったら足が上手く動かないことくらいだから。」
その日の夕方、怪盗団のみんなが私の病室へお見舞いに来てくれた。あの後、彼らはシャドウの追っ手を打ちのめして本会議場へと侵入し、オタカラまでの潜入ルートを確保したのだと言う。
「 あとは予告状を出すだけ。」
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すみれ(プロフ) - をしすさん» ありがとうございます！素敵と言って貰えるような作品に少しでもなっていたことを心から嬉しく思います。また描いていただいたイラストの素晴らしさを共有できて良かったです..！これからの展開も楽しんでいただけるように頑張りますので、楽しみにお待ちください♡ (11月4日 7時) (
レス) @page50 id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
をしす - (文字数に収まらなかったのでここで失礼します…長文失礼しました) (11月4日 4時) (レス) @page19 id: 79c0c3fdd7 (このIDを非表示/違反報告)
をしす - やっぱり好き…。すみれさんの書くお話はどれも素敵すぎて読み終えた時に不思議な高揚感があります！そんな時にむぎさん、めもりさん、まりりさんの激カワイラスト達を見たらいてもたってもいられずコメントさせていただきました！これからも応援しています。 (11月4日 4時) (レス) @page19 id: 79c0c3fdd7 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - もみじさん» ありがとうございます🥹久々のコメントがとても身に染みます…！オリジナルの部分を今回はかなり挟んだので、皆さんにどう思われるか少し不安でしたが、そう言っていただけてすごく嬉しいです。この先の展開も楽しんでいただけるように頑張ります！ (9月11日 7時) (レス) id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前からこの作品が大好きです！話の構成がとても上手で、特に『運命を変えろ』のお話はワクワクしっぱなしでした…！！獅童戦やその先の展開がすごく楽しみです。作者様のペースで更新頑張ってください。陰ながら応援しています！ (9月11日 7時) (レス) id: be2598a382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ | 作成日時：2023年8月19日 11時
