第五百二十三話 反吐が出る ページ19
「その洗脳じみた言動を信じて、貴方の手の平で生きていけと？正直言って反吐が出るね」
「クロウ…」
彼の世界を受け入れるということは、クロウの言うように誰かの手のひらで転がされながら生きていくことと同じなのかもしれない。
＿＿＿それは嫌だ。
これはハッキリと言える。丸喜がしていることが正しいと言われることだったとしても、自由に生きたい。誰からも縛られることなく、自由に生きたい。それだけは自分の中で揺らぐことのない気持ちだ。彼のお陰で思い出すことができた。
「…ありがとね、クロウ」
「なにが？」
「あなたがあなたらしくて安心した。ただ、それだけ」
「何それ。意味わからないんだけど」
ふふっ、とリティは小さく笑う。あなたは気付いていないかもしれないけど、私はいつもあなたの強さに導かれているんだよ。いつも、いつも。
「それが明智くんの答えか。でも、他の人はどうかな。」
丸喜の目がリティを捉えた。思わず肩をビクッと揺らす。その慈愛に満ちたような目が、今は心底怖い。
「例えば、秋瀬さん。君はどうだい？」
「…私も、彼と同じ気持ちです。」
「…本当にそう？」
＿＿＿なんでそんな目で私を見るの。やめて。私は決めたの。自由でありたいって。自由を掴みたいって。何を言われても揺らがないから。
「はい。私はこの世界を、受け入れたくありません。絶対に」
「そっか…何も知らない今だから、そう思うのかもね」
「何も知らない…？」
そんなリティの問いに答えることはなく、今度はその目をすみれの方へと向けた。すみれはずっと頭を苦しそうに抑えたまま、涙を流し続けている。
「芳澤さん、改めて聞くよ。君の望む現実は、どっちだい？」
「え…？」
「君が望むなら、このまま『すみれ』として生きる道を選べばいい。でも『かすみ』として生きることを望むなら、僕は再びそれを叶えてあげられるんだ」
「丸喜先生…わた、しは…」
「惑わされるな」
ジョーカーの言葉は何度も人々の心を導いてきた。だが、今の彼女にはそんな言葉も届かない。
「無理、だよ…すみません、先輩。私は、すみれには戻れません。かすみを死なせて、夢を奪ったすみれには…！」
「すみ…」
彼女の名前を呼ぼうとして、止めた。自分の中で答えは決まったとはいえでも、それを他人の強要することなどはできない。ましてや、酷く心が傷ついている相手になんて。
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すみれ(プロフ) - すしをさん» いつも本当にありがとうございます🥹なんて素敵な自分ルールなのでしょう。すしをさんに早く見ていただけるように更新頑張りますね！いつもコメントに元気貰ってます。またいつでも優しいお言葉をお待ちしています🥰 (2月18日 21時) (
レス) id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
すしを(プロフ) - 三学期だ〜！！すみれさんのお話は少し間を空けてから一気見するという自分ルールに縛られ(？)中々最後まで見られていませんでしたが、やはり素敵だ…。無理のない範囲での更新心よりお待ちしております (2月18日 1時) (レス) id: 83df5084ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ | 作成日時：2024年1月10日 17時
