第五百十五話 敵の策略 ページ11
「広いですね…ここは何の部屋でしょう」
白で統一されていた施設とは打って変わって、少し不気味な雰囲気を感じる部屋へとやって来た。『虐げられる者のいない幸せな世界を』という言葉が、地面目いっぱいに表示されてあることも含めて何処か異様だ。
「…っ！！」
「大丈夫？辛い？」
かすみの頭に再び甲高い音が鳴り響いた。彼女は苦しそうに頭を抑えて腰を曲げる。その痛みに覚えのあるリティはかすみの背中を支え、優しくさすった。彼女を落ち着けるために、優しく、暖かく。
「あ、ありがとうございます…すみません。さっきの映像が頭から離れなくて…」
「…すみれさんの映像のこと？」
含みのあるような言い方をする彼に気付いたリティ。『すみれ』その言葉にルビが振られているかのような言い方だ。
「そうです…今は、進みましょう。なんであんな映像を見せたのか、確かめなきゃ…！」
強い意志を持っている様子のかすみを先頭にリティたちはその後を追う。先程の映像やクロウの言葉。その影響のためか、言い表しようのない黒い渦巻きが心に出現しリティは悶々とする。嫌な予感がする。大した理由もなく、ただ直感的にそう感じていた。
「それは間違いだ…」
かすみの意志を否定する言葉を吐きながら、シャドウが出現した。リティは左手を武器の上に乗せ、いつでも臨戦態勢に入ることができるようにする。
「…痛みを求めるな。この先には悲劇のみが待つ」
「フン、新手だね」
＿＿＿かすみちゃんの心を揺さぶろうとする敵の策略？
「痛みとか悲劇とか…貴方たちの主は何者なんですか？私の何を知っていると言うんです！」
彼女はいつになく余裕のない様子でシャドウを怒鳴りつける。「教えないのなら押し通ります」そう言って態勢が不安定なまま、単独で敵の前へと降り立つ。
「私、私は…！」
震える声、表情。銃を持つ手も小刻みに震えていた。サンドリヨンを召喚し、敵へと魔法攻撃を食らわせようとするも、彼女は的をことごとく外す。物理攻撃でも同様だった。いつものような繊細な動きはそこにはなく、ただ感情のままに突き進んでいる。
自らの動きで息を上げるかすみにクロウは「先走りすぎだ」と強い言葉で諌める。
「落ち着け！」
言葉は強いが、それは彼女の身を案じてのものだった。
「あ…す、すみません…」
「大丈夫だからね。ここから巻き返そう」
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すみれ(プロフ) - すしをさん» いつも本当にありがとうございます🥹なんて素敵な自分ルールなのでしょう。すしをさんに早く見ていただけるように更新頑張りますね！いつもコメントに元気貰ってます。またいつでも優しいお言葉をお待ちしています🥰 (2月18日 21時) (
レス) id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
すしを(プロフ) - 三学期だ〜！！すみれさんのお話は少し間を空けてから一気見するという自分ルールに縛られ(？)中々最後まで見られていませんでしたが、やはり素敵だ…。無理のない範囲での更新心よりお待ちしております (2月18日 1時) (レス) id: 83df5084ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ | 作成日時：2024年1月10日 17時
