王様と下僕。【影山飛雄】

04 下僕は下僕なりに仕返しをする ページ5

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｢本当影山嫌い・・・はぁ・・・｣

｢・・・なんか、悪い｣



ぽつりと謝罪を零した田中さんに、いや元凶はコイツだ、と隣の180センチの巨人を睨む。
と、何故か逆に睨み返された。何だ喧嘩なら買うぞ。

と、そんな刺々しい雰囲気を少しでも和ませようと｢で、でもさ！｣と縁下さんが口を開いた。



｢そんなあだ名がつくってことは選手に尽くしてるってことでしょ？なら良いマネージャーってことじゃ、｣

｢コイツ俺のドリンクのボトルにヘリウムガス入れたことあるんですけど｣

｢｣

｢あれはお前が私の昼食のカレーパンを納豆＆生クリーム揚げパンという購買幻のゲロまずパンにすり替えた仕返しだよね。あれのせいであの日の私の昼食は無くなった｣

｢あれはお前が俺のタオルにシーブリーズ一本分丸々ぶちまけた仕返しだろ。あれクソ臭かったんだからな！｣

｢それ言ったら２年の時私の教科書ノート全部"日野"って書いてたのに一本付け足して"田野"にした仕返しだわ！あれ直すのめちゃくちゃ大変だったからなクソ！｣



ぎゃんぎゃんと吠え、遂に胸ぐらを掴み始めた私達を｢北川第一のチームワークどうなってんだよ！！｣と羽交い締めにする田中さんと縁下さん。

縁下さんなんか私よりひょろいくせに！！もやしのくせに！なんで力強いんだよクソ！

取り敢えず影山に向かって舌を出しながら中指を突き立てると、殺人鬼顔負けの凶悪顔で親指を下に向けた影山。死ねってか。



｢影山のアホ！顔だけインテリ！｣

｢んだとボゲェ！！｣

｢ボキャブラリー貧相！ボゲェしか言えないくせに！！｣

｢うるせぇお前こそ胸貧相じゃねぇか｣

｢待ってそういう心にクるやつはやめよ？？？｣

｢胸ねぇからな｣

｢滅びよ｣



もうお前死ねよ。
思春期真っ只中の女子に胸貧相とか全国のAカップ女子高校生全員敵にまわしたな。

私は無理やり縁下さんの腕を振り解き、影山に回し蹴りをかます。と、一瞬よろめいたかと思えば鬼の形相で絞め技仕掛けてきたから本当にコイツ頭湧いてる。

と、悲鳴をあげる私のうるささに｢何してんだ！！｣と駆けつけてきた澤村さんにこっぴどく叱られましたまる。

主将の権限で私強制退部になんないかな。





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