王様と下僕。【影山飛雄】

19 誰が誰と何だって？？？？ ページ20

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｢か、影山てめええええぇ…！！街中でなんつーことしてんだよ！｣

｢るっせ、ーな…っは、お前担いで、走ったんだから、ちょっと、休ませろ…はぁ｣

｢ねぇそれ遠回しに重いんだよデブって言いたいの？｣

｢まぁ重かったけどそうでもないだろ｣

｢死ねよ｣



肩を上下させて、片腕を壁につきながら呼吸を整えようとする影山に蹴りを入れる。


コイツふざけてるわ。純白の乙女になんてことを言うのか。日本は憲法を改正して乙女の心を傷つけた奴は法で裁くべきだと思う。うん。


と、そう言えばさっき影山が言った謎の私が付き合ってる発言を問うべく、口を開いた。



｢あのさぁ｣

｢あ？｣

｢さっきAは付き合ってるんで！って言ったの、あれどういうこと？｣



刹那。目に見えて不機嫌になった影山の様子に私は負けじと睨み返す。

なんでお前が不機嫌になんだよ私の態度だろそれは。根も葉もない嘘を大声でまき散らされた私がするべきだろ。

と、影山はその女子よりもずっと綺麗な黒髪をガシガシと掻いて｢あーー…｣と呻いた。



｢く………だろ｣

｢あ？何？聞こえない｣

｢だから！！｣



段々と小さくなる声に聞き返すと、再度声を張り上げた影山。

そして、



｢お前く、国見と付き合ってんだろ｣

｢………………あ？｣



誰が、誰と、何だって？

ぴしりと固まった体と止まった思考回路。そして数秒後｢は、はああああああああああああ！！！！？！！？？？！？｣絶叫した。

国見！？いやよりにもよって国見！？はぁ！！？



｢い、いいいいいやいやいや！！！ありえない！ありえないから！！｣

｢あ？嘘つくんじゃねぇよ俺見たし｣

｢な、何を｣

｢…お前と国見がキスして、｢わーわーわー！！！！！！！！！！！！！！｣｣



昼間っからは、はははは破廉恥なこと言うんじゃねぇよくそ！！！き、ききききキスとか！馬鹿か！

ていうか！



｢く、国見とき、キ…とかしてないし！｣

｢…前の青城と練習試合したとき、してたじゃねぇか。お前がドリンク作りに行った時｣

｢は？…あ、｣



キス、と言うのは妙に恥ずかしくて口ごもりつつそう言えば、またもや若干不機嫌気味にそう言葉を紡いだ影山。

ひとつ、心当たりが脳をフラッシュした。


国見が地味にまつげ長いのムカつくとか言ってやたら顔を近づけてきたあの時。

まさかあれを影山が見てて、それをキスしてると勘違いしたのか…？




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