言い分け ページ43
ホームルームを終えて、机の上の指定カバンに顔を埋める。
うー、顔上げたくない。
頭重い。
だが、そんな怠けた思考を引っぱたかれるような、ドスの効いた声が頭上から降ってきたのだから、頭を上げないわけには行かない。
「如月さん」
『あ……はい、なんでしょうか』
「やけに生徒会の人達と仲いいんだね。生徒会入るの？」
『検討、中……です…っ』
「検討中？入ろうって思ってるんだ？」
『そういう訳ではなく、まだ他の部活もちゃんと見てないので…』
「…じゃあ、質問変える。なんでそんなに仲いいの？抜けがけ？」
『いや…そんなつもりは無いです』
抜けがけも何もそういう規定は知らないし。
暗黙のルールなのかも知れないけれど、私はあの人達とは距離を置こうとしていた。
でも気付いたら引っ張られて、自分でもこのファンの大群を躱せると錯覚していたのだ。
突如、へらへらとして気の抜けた、聞くと落ち着く声がした。
ut「すまんなー、A体調悪いんや、帰らせたって」
「鬱くん…！？」
ut「あれ？言わんかった？Aと俺らって幼馴染なんやで。かなーりガキの頃からの。だから仲ええんよ」
「え、そうなの？本当に？」
kn「マジ。そいつ顔色どんどん悪なってるから、ほんまにはよ帰らせたって。すまんな」
「コネシマくんまで…」
zm「そういう事やから帰んで〜」
『うわｯ、ちょ、ゾムさん！？肩に担がないでください！高い怖い！！』
大先生の助け舟から放心状態だった私の体が、宙に浮いた。
ゾムさんが担ぎ上げたのだ。
やめてー！そんなことしたら余計仲がこじれるー！！
女子群の方に目を向ければ、向こうも向こうでぽかんと口を開けて直立している。
が、一人、ダッシュでこちらに来る。
「如月さん！ごめん、あんな態度取っちゃって…！幼馴染なんて知らなくって、ほんとに…！お大事に！！」
生徒会の説明をしてくれた、背の順で私の一つ前の女の子(そういえば名前を覚えてないな)が、私に全力で手を振ってくれた。
気付いたゾムさんが私を下ろしてくれたが、足がおぼつかなく寄りかかる他ない。
それでも彼女は、爽やかな笑みで微笑んでくれた。
理解のある友人に感謝。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤砂糖(プロフ) - おけらの妹白石さん» 見させていただきました！表情といい容姿といい、イメージ通りでとても可愛かったです…！好きですありがとうございます*_ _)) (2019年2月27日 22時) (
レス) id: dc013af7ce (このIDを非表示/違反報告)
おけらの妹白石(プロフ) - 赤砂糖さん» えっと、これからたまに描いては投稿をするかもしれないので、#前世の私何したの？ を付けて投稿させていただきます。そちらから見ていただければ……ちなみに1つ完成しました。白黒で悪いですが… (2019年2月27日 21時) (レス) id: c177f1386f (このIDを非表示/違反報告)
赤砂糖(プロフ) - おけらの妹白石さん» 大丈夫です！見にいきますね！！(( (2019年2月27日 19時) (レス) id: dc013af7ce (このIDを非表示/違反報告)
おけらの妹白石(プロフ) - 赤砂糖さん» ありがとうございます！出来上がったらpixiv sketchの方に上げてもいいでしょうか？多分完成しませんけど…(( (2019年2月27日 19時) (レス) id: c177f1386f (このIDを非表示/違反報告)
赤砂糖(プロフ) - おけらの妹白石さん» 好きな作品と言っていただけて嬉しいです！ありがとうごさいます！夢主の容姿は「目覚め」にある様に、金色の目、焦げ茶肩下の髪の設定です！前髪はぱっつんをイメージしている程度で特にはっきりは決まってません。服装等はご自由にお描き下さい…！！ (2019年2月27日 18時) (レス) id: dc013af7ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤砂糖 | 作成日時：2019年2月20日 19時
