JUMPの闘病生活。 (ページ10)

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侑李の気持ち(mui☆様リクエストです) ページ10

侑李サイド

朝、目が覚めたとたんに、激しい倦怠感に襲われた。

侑李「うぁっ……」

思わず情けない声がこぼれてしまう。

眩暈もしてきたから目を揉むと、手の甲が額に触れた。

侑李「あっつ……」

想像以上の熱さに、少しびっくりした。

先生、呼ぶか。

ナースコールを押して、しばらく待っていると、薮ちゃん先生が来てくれた。

薮先生「侑李、だるいよね」

侑李「……うん」

薮先生「眩暈はする？」

侑李「……うん」

薮先生「おでこ、触るね」

侑李「うん」

薮ちゃん先生のひんやりとした手が額に触れる。

薮先生「あっついな」

薮ちゃん先生は「ちょっと待っててね」と言って僕のもとを離れた。

薮先生「点滴、するね」

戻ってきた薮ちゃん先生と看護師さんが点滴の準備をしている。

薮先生「ちょっと血、とっていい？」

侑李「うん」

薮ちゃん先生は、僕の腕に注射器の針をいれる。

赤黒い血液が注射器の中にたまっている。

薮先生「よし、採血終わり！次、点滴いくね」

侑李「うん」

さっきよりも少し太い針が、腕に入った。

涼介「侑李？」

涼介が起きたらしく、僕のベッドに向かってきた。

涼介「ゆ、うり？どしたの？せんせぇ？」

薮先生「侑李ね、熱があるの。昨日、貧血で倒れちゃったでしょ？まだちょっとだるいんだって」

涼介が心配そうに僕の顔を覗いてくる。

なんて顔してんの？

そう言って笑いたかったけど、体は言うことを聞かなかった。

涼介「ゆうりぃ、大丈夫だよね？やだよ、俺」

侑李「うん、……死な、ない」

涼介「ねぇ、先生。侑李、大丈夫だよね？進行してないよね？まだ慢性期でしょ？やだよ、せんせぇー」

薮先生「……うん、大丈夫だよ。じゃあ先生、いろいろ検査してくるね。」

最初の沈黙は、何を表しているの？

先生にもわからないんだよね。

僕、死んじゃうのかな。

進行してるのかな。

もし、進行してたら。

もし、移行期になっていたら。

１年以内に死んじゃうんでしょ？

涼介が泣きそうな顔をしている。

目には大量の涙がたまっていて、それでも、唇を噛んで必死に耐えている。

なんで、涼介が泣くんだよ。

僕の目にも涙が滲んだ。

ダメだ、耐えないと――――――――

ポロリ。

涙が僕の頬を伝って枕を濡らしていく。

ごめんね、涼介。

涼介は、強いね。

でも、僕は――――

ほんとに、ごめんなさい。