JUMPの闘病生活。 (ページ39)

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新しい仲間！ページ39

侑李サイド

僕たちは、圭人に会いに行くため、廊下に出て伊野ちゃん先生を待っていた。

涼介「侑李、大丈夫？寒くない？」

侑李「大丈夫」

涼介「伊野尾先生、遅いね」

侑李「うん、廊下、歩いてよーよ」

涼介「そーだな」

僕たちは、廊下の突き当たりまで移動する。

「ごめん、待った？」

遠くの方から聞こえた声は、伊野ちゃん先生のものではなかった。

涼介「なんで、八乙女、先生？」

八乙女先生「伊野ちゃん、今ちょっと、忙しいの。だから、俺がきた」

光先生は、急いできたのか、はあっはあっと息をしながら、途切れ途切れにそう言った。

八乙女先生「じゃ、いこっか」

僕たちは、ICUに向かって歩き出した。

八乙女先生「そもそも、ICUにはスタッフ以外は、患者の家族が入るくらいしかできないから、今回は特別だぞ」

光先生はそう言いながらIDカードを取り出して、カードリーダーに通した。

ピピピという確認音に続いて、自動扉はゆっくりと開いた。

かなりスペースを開けて並べられたベッド。

心電図モニターの電子音は、絶えず鳴り続けている。

僕たちとは比にならないくらいのたくさんの点滴チューブが、いろいろな人の体から伸びている。

僕の知らない雰囲気に、緊張が高まった。

八乙女先生「ここだよ」

ベッドを取り巻く透明の無菌テントの中で圭人は眠っていた。

貧血のため、青白くなった顔。

体はかなり痩せ細っていた。

ついこの前までは……。

元気に、笑っていたじゃないか。

圭人の首筋には、上大整脈へと直接点滴を送り込むための太い管が差し込まれている。

涼介「なにを、体に入れてるの？」

八乙女先生「高カロリー輸液と、抗生剤と、昇圧剤と、麻薬性の鎮痛剤。わかんないだろ？」

涼介「……わかんない」

八乙女先生「わかんない方がいいかもしれない。でも、知りたいのなら、ほんとのことを知る、現実を見る、勇気はあるか？」

涼介「……うん」

侑李「うん」

八乙女先生「圭人はな、麻薬を使わなければ抑えられないくらい、苦しくて、痛いんだ。全身の循環動態も、昇圧剤っていう薬を使わないと保てなくなっている」

僕は無意識に圭人から視線を外していた。

僕たちの知ってる圭人じゃなかった。

八乙女先生「移行期に入ってからの骨髄移植の成績は悪くて、長期生存率は20%に満たない。だからもう、助けられない」

その言葉を聞いた瞬間、僕の中にある何かが、音を立てて崩れ落ちた。