侑李の気持ち( mui☆様 リクエストの話です) ページ8
侑李サイド
涼介「トイレいってくるね」
その言葉が嘘だとはわかっていた。
でも、気づいていないふりをした。
侑李「すぐ戻ってきてよ」
1人じゃ寂しいからね。
涼介「わかってるよ」
僕はその言葉を信じるよ。
涼介がどっか行っちゃったから、僕は部屋に取り残された。
少しむなしかったから、再び本を読む。
だけど――――――
侑李「うぅっ………」
ぎっしりと並べられた文字を見た瞬間、一瞬だけ視界が真っ白になった。
ベッドに横になろうと、後ろに倒れた。
しばらく目を閉じて、また開ける。
侑李「……ダメだ、治んない……」
この世界の全ての物の色が飛んでしまったみたい。
貧血、か。
今までの経験で、大体予想はついていた。
タイミング、ほんとに悪いよ。
涼介、さっき倒れたばっかなのに。
嫌われちゃうかな。
そういえば――――――
なんで、あのとき嘘ついたんだろう。
嘘だということはわかったけど、なんで嘘をついたのか、その理由まではわからない。
胸の不安が膨らんでいく。
もしかしたら。
頭に浮かんだ最悪なストーリーを振り払おうとしたけど、1度浮かんだそれは頭に引っ付いて離れなかった。
もしかしたら、もう、嫌われてるのかな。
だから、嘘ついて出ていっちゃったの?
そうだとしたら、追いかけなくちゃ。
ベッドから飛び起きると、視界が真っ白になって、距離感がわからなくなる。
―――――――ガンッ
侑李「いっ……たぁ」
涼介のベッドに激突してしまい、ベッドの角が、ちょうどみぞおちの辺りに当たった。
侑李「いたぁ……うぅ……」
涙が出てきて、さらに視界が悪くなる。
でも、こんなのより、涼介が先だ。
侑李「りょお……」
扉がありそうな方に、向かおうとした。
だけど、足が動かなくて、重心だけが右前に傾いた。
なにも見えなくても、倒れることはわかった。
侑李「りょ……すけ……」
涼介、ごめんね。僕、もうだめかも……。
――――――――――――――バタン
大きな音が身体中に響いて、ガンっと衝撃が来た。
痛みを感じるより先に、意識が飛んでいった。
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作者名:J | 作成日時:2020年3月15日 20時