深窓の令嬢と神宮寺レン【うたプリ】 (ページ8)

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それからというもの、婚約の話は風のように早く進んでいった。

最初はすごく嫌がっていたお父様も、神宮寺様の前になると財閥の上下関係もあるのか、強くは言えず私に黙って断ろうとはしなかった。

私はというもの、お父様から嫌ではないのか？とずっと聞かれていたが、何故だか神宮寺様と一緒にいるのは苦ではなかった。

そして、神宮寺様の計らいで、三条の屋敷を出て神宮寺様と二人で過ごす家へと引っ越す準備をする日々を過ごしていた。

この婚約は三条家には三大財閥の仲間入りを正式に世間にしらしめることのできる、最大のチャンスであり、神宮寺家には成長しつつある三条家を仲間にすることで自身を守ることもできる、政略結婚といえるものだった。

まぁ、私にとってはそんなことどうでもよくて、今大きな問題といえば、そう、二人っきりで暮らすことにある。

私は外を知らない。

男の人と話すことが大の苦手だ。

お父様以外、生まれてこの方、男性と話したことなんてない。

話を聞けば、新しい家には、神宮寺様の執事のジョージさん、そして私の幼い頃から世話を見ていたメイドが一名が一緒に来ることがわかっている。

前にみたジョージさんは強面のおじさまといった感じで話をしただけで、銃を使って撃たれそうだ。

そう。不安しか残らないのだ。