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その方が黙り込んだのに乗じてか別の方が口を開いた。
「いやぁ……ロメラちゃんやったっけ？ 君ホンマに災難やったな。
あの調子やとグルッペンは相当君のこと気に入ってるで。
しかも会ったのは今日が初めてなんやろ？」
「はい……。
閣下は審議開催の理由を小論文を読んだからと仰っていましたが、あれ自体所詮は子供の考えたことですから……閣下があれに何を見出されたのか、正直なところよく解りません」
その方は「ほうほうほう……」という相槌を打ちながら話を聞いて下さった。
そこで「あ」と何かを思いついたような声を出すと私に問いかけて来た。
「因みにやけどそれってどんなテーマのやつなん？」
「ええと、簡単に申しますと『戦争は自然発生するものである』といったようなことをひたすら論じた文章です」
そう答えると「あちゃー……」とため息混じりの言葉を返される。
「天」の布で顔は隠れているものの、オーラが「これは救いようがない」と私に語りかけてきていた。
それはその方に留まらず、私以外の方々全員がそう思っているのが目に見えて判った。
「まぁ、頑張ってや。君やったら歓迎するから」
「……ありがとうございます」
歓迎しているというとても有り難いお言葉を頂いた――その時だった。
カチャッとドアを開ける音がする。
開かれたドアの陰から現れたのは、手に2枚の書類を持った総統閣下だった。
その姿をこの場の全員が認識すると一斉に席を立った。
反応が遅れた私は慌てて立ち上がる。
しかし閣下はそれを気にする素振りも見せず私の正面にある自席に座って口を開いた。
「みんな座ってくれ」
その言葉で全員が席に着く。
先程までのおふざけ混じりの表情は誰の顔からも消え失せており、全員が真剣な面持ちであった。
それに私は緊張感を高める。
目を軽く閉じて深呼吸をする。
様々な思いが頭を駆け巡るが、今は審議に集中せねばならない。私はパチリと目を開けた。
「これより、ロメラ・ハノートルの入隊に関する審議を開始する。各人心して聴き、考え給え」
――ついに、第一の幕が切って落とされた。
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暁の園(暁夢路)(プロフ) - みしろさん» い、今通知を見てビビり散らしております……か、感謝の極みであります……！！ 読みやすいと言っていただけて安心しました、如何せん小生文体が堅くなってしまった人間でしたので(-_-;) コメントありがとうございます、頑張ります！！ (2019年11月2日 7時) (
レス) id: 2136db8e08 (このIDを非表示/違反報告)
みしろ - 回答パートも嫌味がなくて納得できるし、こんな考え方もあるんだ…！と素直に感心しました…これからも体調にお気を付けて頑張って下さい…！勝手ながら影からひっそり応援させていただきます (2019年11月2日 7時) (レス) id: 950f4c5674 (このIDを非表示/違反報告)
みしろ - 圧倒的な語彙力を感じました…とても読みやすくて頭にすんなり入ってくるので時間を忘れて熟読できました…！ (2019年11月2日 7時) (レス) id: 950f4c5674 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁の園 | 作成日時：2019年5月14日 20時
