検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:99,504 hit

97・~23~馬鹿なのか ページ47

「……あ」



私、何してるの?



「……どうした?」



銀時が振り返ってきて、Aは俯いて言葉をつなげた。



「わ……、私、あの…」



土方の視線が痛いが、目を瞑って必死に伝える。



「……銀時…と、二人で行きたい………」



「………」



あぁ、私……何でこんな馬鹿なんだろ……。


近藤さんからの誘いを断るなんて…。


仕事然り、キャバクラ然り、断ったことなんて全くなかったのに。



どうしよう、これでもし銀時が断ってきたら、死ぬ。



「………お前が、いいなら俺は別に…」



銀時の返事にAは顔を上げる。



―――……顔赤ぇ…何俺相手に赤面してんだよ…。



じーっと見返していると、土方がしびれをきらしてAを銀時の方に押した。



「うわっ……」



ふらついたAを銀時が受け止めると、土方は近藤と外に向かった。



―――頑張れよ。



「………!」



口パクでそう言ってきた土方を見て、Aは顔を赤くした。


二人が行ったのを確認すると、銀時は頭をかいて歩き出した。



「………ん」



振り返らずに手を差し出してくれた銀時に、Aは緊張しながらも手を掴んで言った。



「…わがまま、聞いてくれて…ありがとう……」



「………お前のわがままには慣れてるし…」



ぎゅっと手を繋いで、Aも銀時について歩く。



「……」



無駄に緊張してしまうのはきっと、


銀時を完全に意識してるからだろうな……。



「……A」



「ん?な……に…」



ハッと顔を上げると、銀時の顔が間近にあった。



軽く、押し当てるだけのキスをされた。



「…………え…?」



混乱して立ち止まっていると、銀時はにっと笑った。



「俺のわがままも聞いてくんない?」



混乱したまま、目を泳がせつつも頷く。



「今日一日だけ、今日だけでいいから……。お前を1人の女として見てもいい?」



意味もわからなくて、首を傾げるしかなかった。



「…好きな奴として、意識しててもいいってこと」



「う…………うん…」



初めて、言われたかもしれない。



こんなはっきり、期待しちゃってもいいようなこと…。



いや、銀時は優しいから私の気持ちとか気づいてるのかもしれないじゃん。



でも…何て言うんだろう………。



それが銀時の本音なら、こんな嬉しいことってない気がする…。

98・~24~…本当はね……_→←96・~22~温泉巡り



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (140 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
351人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 土方さんは本当に優しい   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

けんそう(プロフ) - この作品が大好きです!銀さんの気持ちも主人公の気持ちの揺れ動きようも細かく書かれていて、読んでいていつもドキドキしてしまいます!これからのお話が楽しみで仕方ないです。頑張ってください! (2018年4月3日 19時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
坂田時雨 - さきたたたたた。さん» 更新が遅くなってしまい本当に申し訳ありません!!!書き溜めてますので早急に更新されていただきます…!そう言っていただけて嬉しい限りです…( ;∀;) (2017年8月12日 20時) (レス) id: 82ecc738cc (このIDを非表示/違反報告)
さきたたたたた。(プロフ) - 更新お待ちしていました!!!通知でみたときに本当に嬉しくてガッツポーズしてしまいました…!!時雨サマが書くさらば真選組篇たのしみにしています!! (2017年6月8日 10時) (レス) id: 5998652ea1 (このIDを非表示/違反報告)
- 最新楽しみに待ってます!今まで読んできた小説の中で1番心にきました! (2016年8月10日 12時) (レス) id: 128b60acfe (このIDを非表示/違反報告)
さきたたたたた。(プロフ) - 更新楽しみにしていました!私が読んでいる銀魂の作品ではいちばん好きです!これからも更新頑張ってください!心から応援しています!! (2016年6月23日 22時) (レス) id: 5998652ea1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:坂田時雨 | 作成日時:2016年3月12日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。