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89・~15~気持ち ページ39

Aは髪を乾かし終えると、女湯から出た所のベンチに座った。


久々に長い時間入ったため、疲れは取れた気がする。


だが同時に、のぼせたのか意識がぼーっとする。



「早かったな」



ぼーっと座っていると、男湯の方から銀時が出てきた。



「……あれ、近藤さん達は…」


「仕事あるからってさっさと出てった。……いてほしかった?」



銀時の質問にAはむっとして首を振った。



「冗談だよ」



銀時はそう言ってAにフルーツ牛乳を渡した。



「……ありがと」



隣に座り、無言でフルーツ牛乳を飲んでいる。


そんな銀時を見て、自分も飲みながら聞いた。



「……あのさ、さっき…」


「あ、そろそろ夕飯部屋に来る時間じゃね?」


「……あ、…うん、」



銀時の声に遮られてしまい、聞くタイミングを失った。


全部飲み干して、瓶をカゴに置く。



「腹減ったなぁ……早く戻ろうぜ」



そう言いながら銀時は前を歩き出してしまう。


後ろについていく時、銀時の手が視界に入った。


ーーーさっきの行動の意味って、何だろう。


ふざけてるようにも思えなかった。



「……銀、」



名前を呼ぼうとした時、銀時が振り返った。



「……どしたの、お前」


「へ……?」



その言葉と銀時の指差す先を見て、Aは驚いて声を漏らした。


無意識に銀時の手を握っていたのだ。



「……ぁ…違っ……いや、これはその…」


「……」


「ぅあっ……」



銀時は無言でAの手を握り返して引っ張った。



「銀と……、」



言いかけたが、途中で銀時に口を塞がれる。


ーーー…え………?


初めは何をされたのか理解できなかったが、徐々に自分の体勢を理解する。



「ん〜〜…っ!?」



銀時に抱きすくめられる状態で、キスされていた。


驚いたと同時に恥ずかしくなり、キスも久々だったために頭が混乱した。



「……ん……ぅ…っ…」


「……っ…え……A…!?」



のぼせていた上に混乱して、意識が飛びそうになった。


銀時はハッとし、キスを止めAを支えた。


銀時が気づいたと同時に、Aは意識を手放した。



「……」



気絶したAを見つめる。


ーーーさっきからずっと、いつもしないような反応ばかりされる。


それが理解できないし、どうしても女として意識してしまう。


しかも、温泉では他人と言ったのにキスしちゃったし…。



「……ごめん、な」



目が覚めたらすぐに謝ろうと心に決めた。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 土方さんは本当に優しい   
作品ジャンル:恋愛
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けんそう(プロフ) - この作品が大好きです!銀さんの気持ちも主人公の気持ちの揺れ動きようも細かく書かれていて、読んでいていつもドキドキしてしまいます!これからのお話が楽しみで仕方ないです。頑張ってください! (2018年4月3日 19時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
坂田時雨 - さきたたたたた。さん» 更新が遅くなってしまい本当に申し訳ありません!!!書き溜めてますので早急に更新されていただきます…!そう言っていただけて嬉しい限りです…( ;∀;) (2017年8月12日 20時) (レス) id: 82ecc738cc (このIDを非表示/違反報告)
さきたたたたた。(プロフ) - 更新お待ちしていました!!!通知でみたときに本当に嬉しくてガッツポーズしてしまいました…!!時雨サマが書くさらば真選組篇たのしみにしています!! (2017年6月8日 10時) (レス) id: 5998652ea1 (このIDを非表示/違反報告)
- 最新楽しみに待ってます!今まで読んできた小説の中で1番心にきました! (2016年8月10日 12時) (レス) id: 128b60acfe (このIDを非表示/違反報告)
さきたたたたた。(プロフ) - 更新楽しみにしていました!私が読んでいる銀魂の作品ではいちばん好きです!これからも更新頑張ってください!心から応援しています!! (2016年6月23日 22時) (レス) id: 5998652ea1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:坂田時雨 | 作成日時:2016年3月12日 21時

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