８０・~6~意識し過ぎ。 ページ30
……いや。と、Aは俯く。
あの関係が愛おしいなんて、思えるわけもない。
好きな人がいるのに他の男の人に求めていたのだから。
ーーー土方さんの言う通り、依存していたんだわ……。
そう思うと、『好き』という感情がないより最低だと思えてきた。
何もない上、只々依存していただけだと知ったら、銀時はどう思うだろう。
何を思ってもきっと、普通に接してくれそうだけど。
そんなことを考えていると銀時が射的の銃を構えていた。
「あんま得意じゃねぇんだよな…」
そう呟きながら銃を放つと弾は景品に掠った。
銀時はもう一度構え同じ景品を狙って銃を放った。
今度は命中し景品が落ちていく。
「おっしゃ。キャラメルゲット」
少し嬉しそうに受け取り、また他の景品を狙い始めた。
ーーー折角だから、楽しまないと。
そう思い直し銃を手にした時、後ろから視線を感じた。
少し振り返ると、男の人が数人自分を見ていることに気がつく。
ーーーえ……な、何…？
怖くなって銃に視点を戻した時理由がわかった。
動きを止め、眉を寄せる。
ーーーそういえば着物の丈が……。
後ろから見ればかなりギリギリなのかもしれない。
慣れてないものを着た自分も悪いが、だからといって見られるのも嫌だ。
「……何、お前弾の入れ方知らねぇの？」
銃と弾を手に固まっているAに銀時は話しかけた。
Aはびくっと反応し、焦ったように弾を詰めた。
「う、うん。祭りはいつも警備だから、やったことなくて……」
少し震えた声になってしまったが、誤魔化そうと手を動かした。
「…なら教えてやるよ」
銀時はAの後ろに回り、覆い被さるようにしてAの手を握った。
「えっ……」
思わず声を漏らしたが、すぐ助けてくれたのだと気がついた。
銀時が後ろに立てば見えることはない為、男の人もどこかへ行った。
「まずこのレバーを引いて……」
いやそれにしても、とAは思考を停止させた。
ーーー近すぎて心臓が……。
助けてくれたのはありがたいが、密着度が高すぎる。
頭が真っ白になり、銀時が何を言っているのかわからなくなるほどだ。
いつの間にか弾を入れ終わり、銃を構えた。
Aは唇を噛み、その体制に堪える。
「狙い定めて…」
銀時の息が耳元にかかり、Aは体を強張らせた。
ーーー意識し過ぎだ……。
「引き金引いて」
その言葉と共に指を動かした。
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けんそう(プロフ) - この作品が大好きです！銀さんの気持ちも主人公の気持ちの揺れ動きようも細かく書かれていて、読んでいていつもドキドキしてしまいます！これからのお話が楽しみで仕方ないです。頑張ってください！ (2018年4月3日 19時) (
レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
坂田時雨 - さきたたたたた。さん» 更新が遅くなってしまい本当に申し訳ありません！！！書き溜めてますので早急に更新されていただきます…！そう言っていただけて嬉しい限りです…( ；∀；) (2017年8月12日 20時) (レス) id: 82ecc738cc (このIDを非表示/違反報告)
さきたたたたた。(プロフ) - 更新お待ちしていました！！！通知でみたときに本当に嬉しくてガッツポーズしてしまいました…！！時雨サマが書くさらば真選組篇たのしみにしています！！ (2017年6月8日 10時) (レス) id: 5998652ea1 (このIDを非表示/違反報告)
新 - 最新楽しみに待ってます！今まで読んできた小説の中で1番心にきました！ (2016年8月10日 12時) (レス) id: 128b60acfe (このIDを非表示/違反報告)
さきたたたたた。(プロフ) - 更新楽しみにしていました！私が読んでいる銀魂の作品ではいちばん好きです！これからも更新頑張ってください！心から応援しています！！ (2016年6月23日 22時) (レス) id: 5998652ea1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：坂田時雨 | 作成日時：2016年3月12日 21時
