７６・~2~違イ。 ページ26
信号が赤になり、一旦止まる。
Aは思いを巡らせて呟いた。
「……銀時は、違うのよね」
「は？何が…、」
言葉を切り、目を瞑る。
―――銀時は、私といる時だけ態度が違う。
わかってる、あんな関係の相手にそんな素でいられるものじゃない。
笑ったり、泣いたり、怒ったり、してくれてもよかったのに。
なんて今更ながら思ってしまう。
「……何でもない」
何だか、銀時に対して変な気持ちが湧いてくる。
こんな風に思ってしまうのは……、疲れているからだろうか。
きっと、そうだろう。
そこで、意識が途絶えた。
「A……？」
信号が青に変わり一旦声をかけるが返事がなく、ふと振り返って見ると、Aは眠っていた。
よくバイクに乗ってるのに寝れるな、と思いつつAを腕を挟んでがっちり掴む。
この状態でも寝れるってことは相当疲れていたんだろう。
「でも…この状態で寝られるとさすがの銀さんもきついわ」
バス停まであと少し。ここで落としたら洒落にならない。
落ちないようにしっかり掴み運転に集中する。
十分後何とかバス停に着きAを起こす。
「起きろー」
「…んー……」
手を引きバス停に向かって歩き出す。
Aは目を擦りながらふらふらと歩いているが途中で躓いた。
「気をつけろよ、ったく…」
Aをこの旅行に誘ったのは偶然だった。
ペアチケットじゃ万事屋ではいけないし、かといって長谷川さんとかと行っても何もいいことない。
迷っていた時偶然Aとコンビニであったというだけの話だ。
誘った後に聞きたいこともあったしいい機会だと思った。
銀時がそう言ってAを引っ張ると、腕にふわりと抱きついてきた。
「ぅわっ……」
思わず仰け反るが受け入れることにした。
振りほどいたって仕方がないし。
ーーー……こんな感じでいつも土方に甘えてんだろうな…。
口では近藤が好きとは言うが、隊の中で一番甘えてんのは土方だと思う。
まぁ、素でいられる場が俺との関係で増えていたとしたなら、関係を断ったことに若干罪悪感を覚える。
「……バス来た。席に座ったら俺も寝るし、目ェ覚ませ」
そう言うと、ハッとしたように目を開けた。
「う、うん。ごめん」
慌てたようにバスに乗り込むAを不思議に思って見ていた。
自分も乗りAの隣に座った。
「寝る？」
「…寝ない」
どうやら眠気は治まったようだった。
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けんそう(プロフ) - この作品が大好きです！銀さんの気持ちも主人公の気持ちの揺れ動きようも細かく書かれていて、読んでいていつもドキドキしてしまいます！これからのお話が楽しみで仕方ないです。頑張ってください！ (2018年4月3日 19時) (
レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
坂田時雨 - さきたたたたた。さん» 更新が遅くなってしまい本当に申し訳ありません！！！書き溜めてますので早急に更新されていただきます…！そう言っていただけて嬉しい限りです…( ；∀；) (2017年8月12日 20時) (レス) id: 82ecc738cc (このIDを非表示/違反報告)
さきたたたたた。(プロフ) - 更新お待ちしていました！！！通知でみたときに本当に嬉しくてガッツポーズしてしまいました…！！時雨サマが書くさらば真選組篇たのしみにしています！！ (2017年6月8日 10時) (レス) id: 5998652ea1 (このIDを非表示/違反報告)
新 - 最新楽しみに待ってます！今まで読んできた小説の中で1番心にきました！ (2016年8月10日 12時) (レス) id: 128b60acfe (このIDを非表示/違反報告)
さきたたたたた。(プロフ) - 更新楽しみにしていました！私が読んでいる銀魂の作品ではいちばん好きです！これからも更新頑張ってください！心から応援しています！！ (2016年6月23日 22時) (レス) id: 5998652ea1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：坂田時雨 | 作成日時：2016年3月12日 21時
