【銀魂】彼と私の秘密ゴトー坂田銀時ー２

７３・不思議なんですが。 ページ23

屯所に戻り、土方は自室に向かおうとした。


その途中で、隊士の一人に呼び止められた。



「副長、話があるんですが…、」


「わかった。じゃあ、後でな。結月」


「はい、また後で」



Aは土方と別れ、自室に戻った。


寝っ転がって、携帯の画面を眺める。


ーーーどうやって言えばいいんだろ…。


温泉旅行のペアチケットなんて普通、恋人とかで行くものじゃないの？


そう思って項垂れること10分、覚悟を決めて電話した。



「あ、あの、真選組の結月ですが、銀時さんいますか……？」


《銀さんですか？ちょっと待ってください》



新八が銀時を呼ぶ声が聞こえる。


薄らと、二人の会話が。



《何？依頼？銀さん今忙しいんだけど》


《ジャンプ読んでるだけでしょうが。いえ何か、結月さんから電話ですよ》


《は！？Aから！？》



「………？」



ーーーえ、何かすごい驚いてるんだけど何で？


戸惑っていると、銀時が電話を変わった。



《悪ィ、どうした？》


「…あ、……えっと…」



一瞬噛んでしまったが、寝っ転がった体勢から正座に変え真剣に言う。



「さっき誘ってもらった温泉旅行なんだけど……」


《あ…、あぁ……やっぱ行けなかったか》


「う、ううん。行ける」



そう言うと、銀時が黙った。



「………あの、銀時？」


《…悪ィ…え？マジなの？それ。後悔しない？信じるよ？俺》


「え…、う、うん。後悔しない……」



そう言うと、銀時は言葉を切りいつも通りの口調で言った。



《じゃあ、あれな。明後日の朝7時くらいに迎えに行くから……二泊三日な。忘れんなよ》


「うん……じゃあ、明後日、ね」



そう言って通話を切る。



「………」



ーーー意外とすんなり…あ、でも銀時の反応おかしかったな…。


でも本当に大丈夫だろうか。


急に仕事とか入ったりしないかな。


こっちから行くって言ったんだから、行けないなんてあってはならない。



「………仕事…」



せめて、旅行に行く日の分くらい仕事を済ませておこうと思い、机に向かった。



唐突な質問に、Aは言葉に詰まった。

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