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64・面倒な関係。 ページ14

「い、いえ、本当にちょっと…」



笑顔を引きつらせるが、女は頑として銀時から離れない。


ーーーいや本当に勘弁してくんない!?


銀時は内心ものすごく焦っていた。


新八と神楽がいる時点でこういう事は本当にやめてほしい。



「お、お嬢さん酔ってるんすよね?も、もうお帰りになられた方が……」



銀時の言葉に女は口を歪めた。



「いいのー。私今日ここ泊まるー」


「そうっすか。じゃあ俺帰りますね」


「やだー!銀時さんと一緒にいたいー!」



ーーー……いつももてねぇのにこういう時だけ絡まれるってどういうこと?何かすごく胸糞悪いんだけど。


銀時が戸惑っていると、神楽が女の手を銀時から離させた。



「ちょ、何するのよ」


「もっとイケメンが他にいるアルよ。現実見るネ」


「いや神楽ちゃん、それ本人の前で言う?普通」



新八の冷静なツッコミに神楽はしれっと答えた。



「こいつに惚れるのは一人だけで十分アル」



神楽の言葉に、銀時は口をつぐんだ。



「………それって、誰のこ、」



そう言いかけた時、銀時の頭に飛んできた瓶が当たった。



「…ッ……何、」



銀時が振り返ると、酔った男がふらふらと歩いているのが見えた。



「すいません坂田さん!酔った勢いで物投げ始めちゃったみたいで…」


「まぁ平気っすけど」



頭から血を流しながら銀時はそう答えた。





その頃、沖田は万事屋の方を眺めていた。


入った瞬間に気づいたが、あえて何も絡まなかった。


こっちは気晴らしに来ているのだから、Aとの接触は避けたい。


その時、瓶を投げてふらつく男が、向かいの席の女の子に絡んでいるのが見えた。



「や、やめてください…!」


「いいだろ?減るもんじゃないんだし」



本気で嫌がっている子に対し、男は女の子に触れている。


ーーーだから酔っ払いってのは…。


沖田が止めに入ろうとした直前、女の子に触れる男の手を誰かが捻り上げた。



「……嫌がってるじゃないですか。やめてください」



隣に座っていたAが、男と女の子の間に立っていた。


男は気分を害したように舌打ちし、Aの死角にあった瓶を手にした。



「……」



沖田はそれに気づいてはいたが、何か言おうとは思わなかった。


ただ、Aを見つめて立ってるだけにした。


ほんの、興味本位で。

65・賭けをしよう。→←63・予想はついてたけど。



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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 土方さんは本当に優しい   
作品ジャンル:恋愛
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けんそう(プロフ) - この作品が大好きです!銀さんの気持ちも主人公の気持ちの揺れ動きようも細かく書かれていて、読んでいていつもドキドキしてしまいます!これからのお話が楽しみで仕方ないです。頑張ってください! (2018年4月3日 19時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
坂田時雨 - さきたたたたた。さん» 更新が遅くなってしまい本当に申し訳ありません!!!書き溜めてますので早急に更新されていただきます…!そう言っていただけて嬉しい限りです…( ;∀;) (2017年8月12日 20時) (レス) id: 82ecc738cc (このIDを非表示/違反報告)
さきたたたたた。(プロフ) - 更新お待ちしていました!!!通知でみたときに本当に嬉しくてガッツポーズしてしまいました…!!時雨サマが書くさらば真選組篇たのしみにしています!! (2017年6月8日 10時) (レス) id: 5998652ea1 (このIDを非表示/違反報告)
- 最新楽しみに待ってます!今まで読んできた小説の中で1番心にきました! (2016年8月10日 12時) (レス) id: 128b60acfe (このIDを非表示/違反報告)
さきたたたたた。(プロフ) - 更新楽しみにしていました!私が読んでいる銀魂の作品ではいちばん好きです!これからも更新頑張ってください!心から応援しています!! (2016年6月23日 22時) (レス) id: 5998652ea1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:坂田時雨 | 作成日時:2016年3月12日 21時

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