Joker ー切り札ー２ (ページ8)

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５７話：次は…… ページ8

貴)あっ、師匠！！

二人との模擬戦を終えて、遊真たちを探していたら、ちょうど師匠とラウンジに向かっているのが見えた。
私は駆け足でそれを追いかけて入り口で遭遇した。

忍)A

修)導季先輩！！

遊)どうも

忍)A、お前な………

貴)えへへ♪

甘える様に師匠に抱きつく。なんか、すっごく久しぶりに会ったような気がした。こうやって抱きしめるのも。兄弟子様とは最近してるけど。
師匠は少し呆れながらも私の頭を撫でてくれた。

忍)Aはカフェオレでよかったな

貴)うん。修君はコーヒーで、遊真はジュースでよかった？

師匠が飲み物を奢ってくれて、そのまま端の方の席に座った。
私は師匠の隣に、二人は向かい側の席。
話しの内容は、私のいない間に合った会議の話し。まぁ声は聞こえなかったけどどういう感じだったかはSEで見えてたけど。

忍)私は、君のお父さんに昔世話になった。有吾さんが亡くなったのは残念だが、君に会えてうれしく思う。

貴)私も遊真に会えて良かった

忍)困った事があれば、何でも言ってくれ。城戸さんも何も言わないが気にしてる筈だ。君のお父さんとは、一番古い付き合いだった。

貴)…………遊真、正隊員になる気はない？

遊)むっ？

貴)師匠も、遊真が望めばと思ってる。でしょ？

忍)あぁ。君にはそれだけの実力がある。どうだ、遊真君。

遊)正隊員か………やっぱいいや。正隊員は自力でなる

貴)いいの？

遊)いい話しだとは思うけど、ボーダーのルールにちゃんと下から上がっていかないと、納得しない人が出て来ると思うよ。俺はネイバーだから。

遊真は自分の立場を理解した上での判断のようだ。私も、師匠も残念だったが、本人の意思に従い、納得する。

忍)君ならすぐに正隊員になれるだろう。

ラウンジの入り口、師匠は仕事があるからその場を後にした。私もそのまま師匠についていった。

貴)遊真、侵攻の時はたぶん黒トリガー使うと思いますよ。

忍)その時は、私が責任もって庇う。

貴)……………今回は、絶対に守ります

忍)気を張りすぎるなよ。

大きな手が私の頭を撫でてくれる。それはとても心地よくて、暖かい。大好きな手だ。