016:宮くんと私とご指名 ページ18
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私、何か気に障るような事したかな……。
どこかよそよそしい雰囲気で別れた宮くんの事が気にかかって、お昼ご飯が全然喉を通らなかった。
宮くんが思う好きは、友達以外当てはまらない……よね?
仄かな可能性が頭を過ぎったけれど、烏滸がましすぎると頭を振る。
「斎賀さん」
「どっ、どどどどうしたの?」
そんなタイミングで宮くんが現れるから、挙動不審すぎるくらいに吃ってしまった。
……おい、笑ってるのバレバレだからな。
あからさまに顔を背けて席に戻る角名倫太郎を見つめていれば、頬にひんやりとした感触。
既視感のあるそれに驚きながら宮くんを見れば、不機嫌そうな表情をしながらココアを差し出していた。
「手当してくれたお礼」
「あ、ありがとう」
やっぱり何かしてしまったかもしれない……。
不安に思いながらもそれを受け取れば、宮くんの表情が幾分か和らぐ。
「おさむ〜、ご指名やでー」
それにホッと安心したのも束の間、ちゃらけた男子の声に気を引かれた。
あ、告白だ。
教室の入口に女の子が三人。
その真ん中で俯いている女の子を見て、瞬時にそう思う。
「……おん」
私から背を向けた宮くんに、胸が切り刻まれてるんじゃないかってくらい痛くなる。
行って欲しくない……。
けれど、友達として好きだと言ったこの口で、引き止める事など出来る筈もなく。
私はただ、遠ざかって行く背中を見つめる事しか出来なかった。
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ria(プロフ) - 私の心にズキュンっときました。運命ですね。好きです(真顔)更新、頑張ってください! (2020年9月12日 20時) (レス) id: 52e75d4e08 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ味のリンゴ - なんだろ・・・・・・読み始めた時から運命だったのかな(は 、もう好きです(唐突 (2020年9月12日 17時) (レス) id: 106317acf4 (このIDを非表示/違反報告)
東花 - うん、、あの、、あれ、、もう、、うん、、好きです(語彙力) (2020年9月7日 15時) (レス) id: 8268995d78 (このIDを非表示/違反報告)
きいろ(プロフ) - いや、、なんか、、あの、、えーと、、好きです(迫真) (2020年9月7日 15時) (レス) id: d4f4d3c247 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さいとー | 作成日時:2020年8月15日 12時