アカシャ・クイール (ページ18)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,928 hit

18‚ ページ18

ルキ「ねぇアカシャ。あたし、身体バッキバキでかなり痛いんだけど。」

アカ「同じく。」

たった２日と言えど、歩きっぱなしで２日間とも野宿というのはきつい。
食べ物だって、ろくなものが無いし。疲れなんてとれたもんじゃない。

ルキ「あ、」

アカ「どうしたルキア？」

ルキ「宿！宿屋だよアカシャ‼」

アカ「追われてる身ってのは知ってるよな？」

ルキ「でもアカシャだって辛いだろう？重たい剣持ってるし。ね？」

そんな完ぺきスマイルで言われたら断れない。

アカ「はー…わかったよ。」

渋る様子を見せたけれど、本当は私だって嬉しい。屋根があれば、雨に濡れてびしょ濡れになることだって無いし、硬くないところで眠れるし。

…前はこんな、２日くらいじゃ大丈夫だったのに。訓練、最近ろくに出来てないしな。自己管理はしっかりしなくては。

ルキ「アカシャ～早く行くよ！」

さも嬉しそうな足取りで向かうルキア。単純だなぁ…なんて。

アカ「そんなに歩けるならもう少し進みたいけれど。」

ルキ「鬼。」

軽い足取りのルキアに意地悪を言ったら、起こられた。

ルキ「アカシャだって疲れてるくせに。いいじゃないか。別に。」

アカ「うん。意地悪してみたかっただけ。別にいい。」

小さめの門をくぐって、入り口へ。小綺麗な宿だった。割と新しいのかもしれない。

ルキ「おぉー、いい感じじゃないか。」

きょろきょろと辺りを見渡しては感心しているルキア。

ルキ「あ、ねぇお兄さん。部屋は空いてるかい？」

あぁ、そうだ。部屋どり。

宿主「…空いてはいるが、金はあるのか？嬢さんがた。」

…あ。

ルキ「アカシャ、持ってないよね。」

なんて小声で聞いてくる。

アカ「あぁ…持ってない…」

私も小声で返す。

宿主「…さては、持ってないな？」

ルキ「…はぁ、お兄さん、こ～んな綺麗な女が二人も泊まるってのに、代金とるのかい？いい宣伝になるぞ～？」

…は？自分で言うか？

宿主「自分で言うかよ。わかったよ、その顔と自信に免じて、タダにしてやるよ。」

えぇー宿主、逆にお前が心配だよ。
そしてルキア、目が恐い。有無を言わせない目してるぞ。

まぁ…部屋とれたからいいか。

ルキ「すっげ～、ベッドじゃないか！」

心なしか口調が乱れているのは気のせいか。
でも、ルキアが少し私に心を開いてくれたようで、妙に嬉しかった。