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先程グチツボたちがあのタイミングで去ったのはゲームシステムによるタイミングだったのか、そう納得せざるえない。
俺はルナの発言にとりあえず一言。
「いやですが?」
途端に周りがどよめき始め、ルナは真っ向からの却下に怒りで拳を握った。
それでも聖女(笑)らしさを大事にしているらしく、真剣に話しているような姿で抗議を続けた。
lu「どうしてですか…!たくさんの方があの事件で闇属性の魔法を恐れているんです。よりゼペルさんの立場が危うくなったら…」
あたかも、私心配してますみたいな動き。胸に手を近づけ苦しそうな顔をする主人公。周りからしたらなんて優しいのだろう、なんで思うだらう。しかし残念ながら俺は気持ち悪いほど嘘くさい、とドン引くだけだが。
「はぁ。周りはこの実技試験に万全の体勢で挑むにかかわらず、俺はハンデを背負って受けろと」
lu「そういうわけでは…!」
「いや言ってるでしょう。というかこの場で言ってる時点で真意は」
そこだろう、言いかけたタイミングで親衛隊の1人が胸ぐらを掴んでくる。こういった場面に慣れてないであろう生徒の悲鳴が耳を裂いてきた。
ぐ、と持ち上げられる俺の体。あぁ悲しきかな身長差。お陰で息苦しいわつま先立ちで足がピキッとつってしまいそう。
生徒「聖女様に向かって無礼だぞ‼︎よほど私たちを恐怖に陥れたいか!」
「今怖がられてるのはアンタですよ」
生徒「貴様…!」
そのままのことを言ったらより怒りのレベルを上げてしまったらしい。1発殴られそうな気がしてきた。
lu「暴力行為はやめてください。私は力で解決はしたくないのです」
どの口が。お前心パリン事件で武力行使しかしてなかっただろ、とはまぁ言わないが明らかなブーメランに草も生えない。
一方で生徒はルナの一言で俺を突き放し失礼しましたと謝罪する。当然ながら俺ではなくルナに対して。
生徒から押されるように手を放されて、こちらは体勢を直す時間もなくドサリと地面に尻もちをつく。勢い的にあざができてそう。
lu「大丈夫ですか…?」
心配する素振りでルナが俺の元に駆け寄る。
別にこれくらいと返せば怪我がなくてよかったと腹の立つほどの主人公スマイルを向けてきた。
lu「今回は失礼します。でも、私は貴方のことも心配しているから……また来ます」
それと、と。
付け加えることがあるのか、アイツは耳元でこう言った。
lu「貴方のリボン、早く回収してください。あんなもの彼には似合わない」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2022年4月17日 17時
