恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だⅡ【男主】 (ページ29)

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ゾムの件も落ち着いて、俺は準決勝の支度を始めた。
そして爆速で講堂に張られているであろう準決勝の対戦表を確認しに行く。

(みんな試合を見にいってるのか)

いつも生徒のいる講堂は、まるで時間が止まっているように感じるほど静まり返っていた。

(よしよし。次の対戦相手は……え?)

第7試合
ゼペル・A 対サクヤ・ヒトランラン

(それは聞いてない)

対戦表の横に連なる文字を見て唖然とする。
よりにもよって普段から交流のあるヒトランとのバトルなんて。

(ええと、確か戦闘ステータスは…)

主に使える属性は火と岩。そして八大元素とは別カテゴリに分類される身体強化魔法。彼自身は魔力量が少ないため、戦闘時は魔法よりも日本刀や物理攻撃が多い。
とはいえ刀に炎を纏わせたりと魔法の操作に長けている。

いくらバトルといえどひとらんに傷をつけたくはない。となると気絶をさせるしかないのだが…

(ひとらん……日本刀……日本っぽい国…)

あ、イイこと思い付いた。

ーーー

(ここが控室…)

開いていたドアの隙間からそろりと部屋に入り、隅っこに座り込む。どうやらここでも試合を観ることができるようで、控室に映る魔法映像ではロボロとルナが戦っていた。

(…うげっ)

なんてすごいタイミングで来たんだ俺…。思わず声が出そうになり口をおさえた。
(これが現実になった時に現れる今どの時間なんだろうっていう現象か…)

気になって他な生徒と同じように映像観戦をしているが、これはルナが圧倒している。

アンのコピーと戦う際のキャラ選択をヒトランにしたことで炎属性の操作性が上がっており、今のロボロでは対応が難しい。これは勝敗が元から決まっているようなものだったかもしれない。

ちなみに、ルナが勝つと次に戦うのは追加コンテンツの1人、『奏でる蒼の未来と勇気』2年生のキントキ。

この人と同じ時に追加された攻略対象たちは生徒会と親しい交流を持つ委員会『風紀委員』に所属している。生徒会に入ったことで彼らと交流をするようになった主人公は、学院の問題を一緒に解決。生徒たちに蔓延る闇と対峙する……的な内容。

lu『これ、で…終わりだよ！』

ルナは光と炎の複合魔法を決める。

(勝負あったな)

光が収まると彼は気絶。シナリオ通り、勝利を決めたのはルナだった。

(後でロボロ労ってあげよう)