恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ【男主】 (ページ45)

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何で今ここに主人公がいるのだろう。
チーノルートでゼペルちゃそとバチるのはもう少し先だ。

正確な時間としては、季節イベントの【フラワーフェス】が終わった日。一緒に回る人をチーノにしたら訪れるライバルイベントのはずで……。

彼の秘密をそもそもゼペルちゃそは教師に話さない。どん底の学院生活で利用する価値があると思ったのだろう。そして…彼も彼で強い力を持つゼペルちゃそとは取引とかをする関係性になっていくのだが。

言わないって言う大本を俺は無自覚ながらぶっ壊しちゃってたわけで…。もしや早まった？
この時期にストーリーがあるとしても、入学時そこまで交流のなかった上級生組や教師陣のみだったと記憶している。

(困るなぁ)

ci「ルナさん。……やだなぁ〜どうしてここに？」
lu「ショッピくんに頼まれて、チーノくんを探してたの。それで見つけたから」
「盗み聞きしてたと…」

声かけれるような雰囲気じゃなかったと言い訳をされるが、俺と話してるとわかった時点でチーノを引っ張っていけばよかったのではないか。話をよく思ってないみたいだし。

lu「チーノくんの気持ちとか理由も知らないのにあんなこと言うなんて…。失礼ですよ」
「と言われても。喧嘩腰に話しかけてきたのは彼方ですし、何も間違ったことは言ってません」

ジトりと瞳を見れば、ルナは言った。

lu「ひどい…。貴方のような心が死んでる方は、人の気持ちがわからないのでしょうね」

まるで可哀想なものを見ているような言い方。
ふむ、心が死んでいるとな。

あながち間違いではないけれど。そんな考えを持ってるなら、そりゃゼペルちゃそとの和解ができるルートがないわけだ。恋愛ゲームの主人公の中でもかなり性格が残念すぎるらしい。

「言うじゃないすか。…特待生さん?前回はちゃんと戦えませんでしからね。今度こそ本気で戦います？」

実際に戦う気はないが、右手で魔法陣を描き始める。するとルナも臨戦体制に入ろうとしたのだが…。チーノがルナの手を引いて去っていった。

lu「えっちょっチーノくん⁉︎」
ci「それじゃあ、失礼します」

2人の靴音が徐々に遠ざかっていく。
破滅を一つ阻止できたと思ったのだったが…これはこれでややこしい事になった気がする。