恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ【男主】 (ページ11)

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グルッペンとの会話が終わりおそるおそる教室に戻ると、すでに解散したのか担任と副担任、そしてなぜか攻略対象のゾムとショッピがいた。

入学式って書類とか絶対に出るから貰いたいが…早く終わってほしい。

ra「あ〜Aやっと来た！そんな扉の前で覗き見してないでこっち来てー」

この世界の文字で"A用"と書かれた茶封筒を掲げながら、ラッダァは俺に呼びかける。やはり自分の気配消しだと先生ほどの上位魔術師には効かないらしい。

「遅くなり申し訳ありません」
re「気配消し上手いね。ミドリ先生に聞いたらもっと上手くなりそう」

絶対やめてねー?と言われるがそれはフリと捉えた。今度教えてもらいに行こう。
そしてそのまま茶封筒も無事に取得できた。さて自分は帰宅を。

shp「あの、」

ダメでした。
前世から続く、目を合わせられずに視線を斜め下に移動させつつ反応する。

ra「来るまで4人でAの話してたんだよ。だからショッピも気になってるんでしょ？」
zm「その言い方は語弊あるで」
ra「はあ？」
shp「そうですよ。やめてください」
ra「A見た?2人とも俺に冷たいんだよ酷くない?」
「俺に言われましても…」

(お前この人たちは俺からしたら主人公の攻略対象なんだよ。内1人は恐怖のゾムだぞ？)

静かに話を振られたことに恨みを持つ。やめてくれ、今日からイメージダウンしたくない。

shp「まあ担任は置いといて。ゼペルさん、調査試験で俺とロボロさんと勝負してください」

突然の言葉に目をパチクリしたする。そういえばメインシナリオでルナがシャオロンとチーノと勝負することを思い出した。どうやら、こっちもこっちで勝負してたらしい。

「一応、理由を聞いてもよろしいですか？」
shp「あー…隣のクラスにいるシャオロンってやつが今年は光属性と闇属性をメインに扱う魔術師が1人ずついるからそれぞれ勝負してみようぜ、と」
「まぁ…いいです、けど」

ショッピは抑揚のない声で感謝を告げた。

ra「周りの目もあるし、Aがキツイと思った時は勝負は別の機会にするように…んね?」
re「おお、ラッダァが先生してる」

そりゃねもちろんと返しているがどこか緩さが残ってて締まらない。

shp「よろしくお願いします。ゼペルさん」
zm「……。」
「お、お願いします」

挨拶をするショッピの隣でジッと此方を見てくるゾム。彼は俺がそそくさと逃げるまでずっと見ていたのだった。