恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅷ【男主】 (ページ10)

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眩しい白い光と共に、エーミールにかけられていた魔法が解き放たれる。次に見た彼の瞳は月のように美しい宝石だった。

em「ありがとう、Aさん」
「何のことやら」

キヒヒ笑ってお待たせしました、犯人を見る。
スケアリージャックでの出来事がフラッシュバックしたのか。はたまたこの世界がゲームの世界だからか。
動かず騒がず。黙って俯いていた。

しかし魔獣たちは依然元の勢いを取り戻したようでゾムとひとらんに襲いかかっている。中には校舎側に向かう魔獣も。

「再開のご準備は?」
em「万全です」

今までとは違い前進したエーミールの表情には目を奪われるような美しさが備わっていた。
それでいい。それで良いのである。レッテルの品評会はこれから。自分自身に決めてもらわなければ。

em「……貴方となら」

2人、前へ手のひらを向け魔法陣を生み出した瞬間。突如として目の前にデジャブなモニターが現れた。
そして驚くべき内容が一文。

デュオ魔法が解放されました!

はい？デュオ魔法？

驚いていればふたつの魔法陣は重なり合い、中央に名前の知らぬ花が象られたひとつの魔法陣へとかわる。

em「Aさん、決めましょう!」

「りょ、了解です…!」

___________ペストワーズ。

脳内に現れた意味も知らぬ一つの単語を唱える。
重なり合った声のあと、柔らかい光を放つ銀色の蝶が現れた。蝶たちは魔獣たちを包みあっという間に浄化する。

いや本当に何なんだ。魔法威力も魔法陣も。
体調不良の誤魔化しは精神力とレイブンで片付けられるとして、どうして俺がエーミールとこの"デュオ魔法"が使えたのだろうか。

だってこれは…

em「Aさん!」
「うおっ⁉︎」

頭の中で考えていれるば、犯人も動けるようになったのか大量の魔法弾の雨である。
エーミールに手を引かれ空中を旋回。

Miz「◆□▽○⁉︎＊■△●」

犯人の言葉はぐちゃぐちゃになっており、何を言っているか理解できなくなっていた。
これがエラーの果て?先程の固まりもエラーによるものだとしたら?

『エラー続きなら修正orデリートでしょ』

奥底からあり得ることを言われてそれなと返す。ふむ、早期決戦が必要らしい。