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ドロリと溢れる血。手で拭えば黒い液体みたくなっており少しだけゾッとした。
そして光属性の攻撃を受けた時とは違うぐわんと内臓が揺れる感覚。
少し、そこにいるアイツが顔を出した気がしなくもない。
Miz「おい純正‼︎なぜそんな劣等を守ろうとする‼︎」
頭を掻きむしり犯人は俺をギロリと睨みつける。その瞳は闇の淀みだけならまだしも血走っておりまるでゾンビみたく不気味だった。
しかし、俺は俺は/私は私でそんなことはどうでもいい。まず先にすべき事は…
「__________撤回しろ」
Miz「はっ?」
空気を腹に流し込み、勢いのままに大声を犯人に飛ばす。
「だーかーらー、さっきの言葉を撤回しろっつってんだよ馬鹿野郎」
過去の発言含め、ゼペル・A史上1番と言っていいほどの最悪な口の悪さが露呈された瞬間である。
魔物も、犯人も、仲間たちも、そして植物、木々、風全てが静寂に包まれた。ケラケラと笑う赤いレイディーを除いて。
次に静寂を破ったのは犯人であった。怒りで顔を真っ赤にし言語化不明なほど何かを叫んでいる。しかし。
「喚くことしかできないのか?」
2度目の叫びで今度こそ罵詈雑言の連鎖はストップされたのだった。
見計らって俺はエーミールへと向き合う。
「おいこらエーミール。いつまで病んでるつもりっすか」
em「…え?」
攻撃を受けてから病みな状態になっていた彼はどうやら自覚がなかったらしい。透き通るように美しかったはずの瞳は濁りを含みながら揺らいでいた。
厄介な魔法…と普段ならば思うのだろうが残念、今は虫の居場所も悪い。これくらいの魔法は跳ね返してやろう。
「さっきの言葉訂正しに行かないとでしょう」
em「ですが…真実には変わりま「それ」…?」
マナー知らず、貴族もどき。人差し指をひょいと彼の胸に当てながら彼の奥底を見つめる。
「見返せるほどの努力をして、力だって十分に持てたのに。なんで作られたレッテルを受け入れる?」
図書館の本を読破。高等魔法の会得と相応のアレンジ能力。劣等を受け止めたならば行っていないはずだろうものたち。
自己肯定が薄くとも、抗っていた証である。
「過去に散々なことがあろうと、とんでもないこと言われようと。自分のレッテルを作れるのは自分だけでしょ」
アイツのこと、見返してやりません?
em「____________乗った」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2022年2月8日 15時
