恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅷ【男主】 (ページ8)

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開放！デュオ魔法！ページ8

思った。スケアリージャックでの茶番は完全な煽りとして受け取られていたのかよ、と。
違う違う、やめろっていう最終通告だっつーの。
言った通り反省も何もないようだ。パクリ野郎は大体こんなだから困るんだ本当に。

地上ではゾムとひとらんが協力して魔獣を凄まじい勢いで倒していく。業火に焼かれて死ねというレベルの荒々しい炎が、魔獣たちを灼きはらっていった。

em「私も…!」

エーミールが右手を動かすと優しい光を放つ魔法陣が複数現れる。
放たれた魔法弾は風属性と氷属性。
的確に急所を撃ち抜いていき、足下にいた魔獣たちがあっという間に消えてゆく。

「すごい…」
em「前に読んだ本の知識が役立ちました」

歩く図書館、記憶の本棚から目当ての本を引き出すのも得意らしい。
するとどろどろなオーラがより酷く一帯を覆う。

Miz「オリオン、またお前は邪魔をするのか！」

怒号が再度聞こえたと思えば、エーミールの防護結界が砕け散った。地面へと落下しそうになる彼の手を掴む。
急な破壊だったからか、それとも犯人の魔法なのか。新しい結界ができる気配もないまま次の雨が降り注いできた。

…これがエラーの威力?
そして"また"とはなんだ。エーミールとアイツには因縁があったというのか。

Miz「お前のせいでどれほど俺が恥をかかされたと思っている⁉︎変装の魔法を解かれただけではまだ足りなかったか?」

「解かれたって」

俺の疑問をよそに魔法弾の雨がこちらへ降り注ぐ。
エーミールの庇うため無理やりの魔法弾をこちらも撃ち飛ばした。…がやはり体内に入る"毒"が重いせいか相殺することで精一杯。
地上から発生する元素はどこまで空気を侵食しているのだろう。

Miz「あの時は家の体裁のためあれ以上のことはしなかった。だが今回は違う!2度と外へ出られないほどにしてやる…!」

魔法弾を喰らってから言葉を発さない彼を見れば、何か魔法をかけられたようで病みに飲まれかけていた。

「エーミールさ…っぶね」

撃ち逃した魔法弾が頬を掠めた。