・ ページ39
シャオロンの発言から、約1週間前に神様から貰った手紙の内容を思い出す。
【スノーファンタジア】
前世でいうところの聖キリストの誕生、クリスマス。とはいえ、類似点はあるが内容はやや異なる。
そもそもこのゲーム世界ではキリスト教が無いし「25日がこの日！」というわけではない。
まず日付だが、初雪から二日間がスノーファンタジアの日となる。
ではなぜ初雪の日で行事が生まれるのか？
それは恒常的に得ることができない氷元素を、妖精王から頂戴する祝福と言われているためである。
なのでこのイベントは、妖精王への感謝を込めて氷属性の魔法を使い氷の彫像を作ったりお祭りが行われる。
つまりプレゼントはないのか!白いお髭の慌てん坊はいないのか!
まぁそんな事もない。サンタ代わりの魔術師はちゃんといる。暗黒月の後のこと。光を持つ魔導士が、スノーファンタジアの日に大切な人へプレゼントした事をきっかけに贈り物をする文化が広まったらしい。
手紙を読むまで知らなかったが、道理で雪が降ると使用人たちがプレゼントをくれたわけだ。きっと気を利かせて言わないでいてくれたのだろう。
「それでいつになったんだ?」
sha「実技試験の日!それと次の日の答案返却日やで!」
楽しみですねぇーと反応するトラゾー。その手には回覧板ほどのプラ板が。指で所々文字が隠れているがおそらく情報が届くさしずめiPadだろう。
tr「そういえば今日の夕方ごろには実技試験の内容も発表されますよ。学院中央の魔導掲示板に行って確認してくださいね」
ですから頑張ってください、と袋がにこりと笑った。
あと5枚…両面印刷…サイズはB5。
こめかみを押さえるすんでのところで隣の席にシャオロンが座った。プリントを覗き込んでから「にひひ」と笑う。
sha「どっか分からんとこある?」
なんと素晴らしき救世主。ファンの間では大人気キャラの一人だったことだろう。
「いくつか。頼って良いか?」
そう伝えると、シャオロンは少しだけ赤に頬を塗り替えながらも溌剌とした返事をもらった。
tr「シャオロンさんもしかして…」
途中で途切れるような発言をしたかと思えば、トラゾーは急に思い出した会議に向かうと言い出した。
職員室の机に置いといてください、ではー。そう言い残して教室を出ていく。扉が閉まるまでの光景を眺め再度彼を見れば顔が赤くなっていた。
「シャオロンどうかした?」
sha「い、いや別に?…それよりはよ終わらせよ!」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 514人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんべべ | 作成日時：2022年2月8日 15時
