恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅷ【男主】 (ページ38)

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スノウドロップ！雪の調べ！ページ38

さて日は進み12月中旬。期末試験が近づき学院の生徒たちが慌しくテスト勉強に励みだすこの頃。
俺はというと、実技内容に震えながらも死ぬ気で座学の補習に取り組んでいた。

…座学、魔法知識担当のトラゾーの監視の元で。

tr「さぁAさん、あと5枚です。頑張ってください」

そもそも、なぜ俺が補習地獄に落とされてしまっているのか。

お分かりだろう、俺が独房に入れられていた期間。なんと丸２ヶ月と2週間。
無事中間試験は参加できておらず出席日数はオーバーもオーバー。加点要素のあったスケアリージャックさえ出れていないとなれば、トップの成績を取らない以外で待っているのは留年……。

破滅フラグよりも問題すぎるこの案件、教師たち(主に担任)が何とかしようと素晴らしすぎる補修メニューが組まれてしまった。

通常授業も当然置いていかれているため、座学の時間は全て別教室で他の教師に内容を詰め込まれる。
そう、今だけは実技が救いになっている。ルナが正直ジャマだけれど。
現在時刻は夕暮れ時。
あと5枚で解放とは言われたが、帰ってもミドリにわからないところを聞かねばならないため終わりが見えない。

あーこんな時誰か来てくれないかな。
猫の手でも借りたい。そう思っていると廊下から足音が近づいてきた。

足の勢いとは逆に控えめなノックがこん、こん。
失礼しますと入ってきたのは猫ではなく…

sha「お疲れ、遊びに来たで」

ポメラニアン……いや違う、シャオロンだった。
意気揚々とした雰囲気。
ぶんぶん揺れる尻尾が見えそうなその姿はやはり犬で正解かもしれない。

「どうした急に?」

ふっふっふ。シャオロンは少し勿体ぶるような口調でこう言った。

sha「なんと！スノーファンタジアの日がついに確定したんや！」