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ハンバーグを無事完成させて夕食をバッチリ完食。遊び心で形も色々にしてみるとやはり作る時点から楽しかった。
そして本当に料理をしてこなかったらしいウツのたどたどしい動きは、他の奴らには内緒にしておこうと思う。精神面が不安定だからか不明だが、小学生名探偵の逆バージョンみたいになっていた。
本人の記憶はそのまま残るのならば相当な黒歴史にもなる気がしなくもない。
現在は片付けも終えてのんびり男子寮へと向かっている。そのまま返してルナが地雷の上でタップダンスを踊りかねない為、俺の部屋にお泊まりさせることにしたのだ。
「…」
普段なら喋り上手のウツが話を提供してくれて色々と話しながら向かうだろうが、俺は喋り下手、当のあっちは不安定。無言で袖を握られながら歩くことになってしまった。
(なかなかキツいものが…てあれ)
無言の空間にどうもソワソワして誰か助けの手があったらと思っていれば前方からひとり。
sha「あ、A〜!…ってそれに大先生も」
猫の手ならぬポメラニアンの手。シャオロンがタッと此方にかけてくる。握られていた袖が何となく引っ張られてる気がした。
「シャオロン、なんでこんな時間に?」
sha「あぁ、実は生徒会室に忘れ物してな」
頭を見れば、確かに前あげたニット帽がなかった。
どこかのタイミングで外してそのままにしてしまったのだろうと推測。
sha「Aがくれたものやし、いくら生徒会室でも置いたまんまにしたくなくて」
頰をかきながらごめんなと謝るシャオロン。真面目というか大切にしてくれてるというか。
「ううん。大事にしてくれてありがとう」
嬉しいよと言えば、シャオロンはまあな!と悪戯っ子のような笑みを見せた。その笑みは左胸が暖かくなり口角が上に向いた気がする。
ut「……しゃおちゃんごめん、少し急いどるから」
袖を掴んでいた手が俺の手首をガシリと掴み、歩き始めたウツに引っ張られた。
sha「ちょちょ、待てや大先生‼︎」
シャオロンの声も気に留めず、ウツはスタスタと歩き出す。また今度と声をかけるために振り返れば口パクで伝えられた。
気をつけろ。
「えっ…」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2022年2月8日 15時
