恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅷ【男主】 (ページ25)

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え、と驚きの声を出す。
期末直前のあの事件以来の登場だ。
ここでも出てくるとなれば、もうこの教師は第三勢力として見るしかない。

re「月降ろしは旧式の魔法だし、それに対応できるなんてラッダァ以外でこの人しかいないと思う」
「確かに。…でもそうなれば犯人の行動を分かってたことになる」

理解した上で悪事を見逃し、さらに記憶を覗かれることを予測してモヤで隠していた。

「ちょ、ちょっとこれは警戒が必要だな。今後も事件が起きた時は特に」
re「わかった。俺らもこれからの報告に入れておくね」
md「…ていうかあの魔術書もぴくさんの私物だったりして」

いじけモードは継続したまま、ミドリがそう呟いた。
俺とレウは顔を見合わせ有り得るかどうか話し始める。

「いや私物って…闇オークション常連とか?」
re「それか俺らの宗教とはまた違う宗教の人?」
「禁忌専門の?」
md「流石に違う?あの書庫ってトモさんの集めた本もあるから…そっちかな?」

3人とも睡眠不足により回答が導き出せず考えあぐねてしまう。ピクトに関しての情報が少なすぎるのだ。
追加コンテンツとの交流が浅いことが仇となるなんて。

「よし、一旦保留。わからないものはわからん」
md「…珍しくAさんが投げ捨てた」
re「まあしばらく様子見も大事だよ。俺たちはきちんと報告できるようにしとこ」

2人が頑張ろと言い合う。
やはり恐ろしい一面がありつつもかわいい部分もあるんだな、さすがゲームの攻略対象。
とんでもない、の一言ともに口角があがれば2人がピクリと固まった。

re「…やっぱりAさん、笑顔素敵だね」
md「ｳﾝ｡笑った顔、すごい好き」

コロンと瞳のハートを光らせながら、2人は幸せそうに笑った。思っていたよりも俺はちゃんとした笑顔を見せることができていたらしい。
左胸がぽかぽかと暖かくなって、ついでに顔にも熱が灯る。

「あ、ありがと」

すたすたとレウが隣に座りぎゅうと抱きしめられた。
ミドリも帽子は深くかぶっているものの、手をきゅっと握りしめる。

re「ほんとズルいよAさん」
「なにが?」
md「ﾅｲｼｮ」
「まぁ…嬉しそうならいいか」

カラン、いちごオレに入っていた氷が声を出す。
事件も終わりこうしてほのぼのと話せる今は、ダークではなくやはりホワイトなお話会なのだろう。

md「…頭撫でるの忘れてる?」
「忘れてないですよ。ほら帽子とって」

　