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そのままレウの講師室へ移動し、いちごオレをずぼぼとストローを使い口へ流し込む。
今回は切って潰した苺が入っており甘さと酸味が特別さを醸し出し幸福感で満たされた。
md「ﾌﾌ､Aさんが幸せそうな顔してる」
ｵｲｼｲ?とミドリのカタコトな質問に最高と頷く。それは良かった、と自分のいちごオレとミドリのオレンジジュース持ってきたレウが嬉しそうに前の席に座った。
re「それで…あの生徒からは何か得ることができた?」
勿論。とストローから口を外して2人に共有を始める。とはいえ魔法で行うのは怖いため行動での説明となった。
あの生徒の記憶には、王家との関係性がある一家の長男だからこその過度なプレッシャーに苦しむ姿が多く存在した。さらに異母兄弟はもとより魔法の素質が高く、追い越されないようにと必死に勉学に励む日々だったらしい。
そんな日々で彼は学院で今まで積み上げていたものを崩される事となる。それがエーミールの存在だ。座学も技術も到底及ばず、成績に関して勝てない程の差を見せつけられる。
家からは評価が落ち学院でも成績が落ち……そんな中だった。こっそりと潜り込んだ書庫にて件の本を見つけてしまったのは。
「そこからの流れは殆ど俺たちが知ってる通り。…でも１つ変なところがあった」
md「ﾍﾝﾅﾄｺﾛ?」
「月降ろしを行う前の部分が黒いモヤで隠されてた」
霧とかそんな軽いものではない。湿気の溜まった埃みたいな厄介な汚れ…が表現にあっている。覗くだけの魔法ではどうにも対処ができず、そこだけは俺もわからない。なんならそこが1番大事だろうに。
re「誰かと会ってたのかな?」
「それしか考えられない」
md「運営は言われた通り集めてたからほかの…誰だろ?」
うーんと目を瞑り首を傾げるミドリはゆるキャラみたいな可愛さがある。可愛いと口から溢れれば慌てながら肩を揺さぶられた。
md「浮かばなくなっちゃったじゃん‼︎」
「だってその考え方あざとい」
md「ﾜｻﾞﾄｼﾞｬﾅｲ!」
「わかってるよ。だからあざとかわいーの」
顔がリンゴみたく真っ赤になったミドリは帽子を深く被り拗ねてしまった。
しばらく話しかけてもスルーされてしまうだろう。
「レウせんせーは候補浮かびました?」
re「うん……一応は、だけど」
一度瞬きをしてからレウは言った。
re「ピクトさん…かなって」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2022年2月8日 15時
