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会話の収拾がつかなくなりそうなところで、上級生組とルナは騒ぎを聞きつけた生徒たちへ説明に向かった。
俺を含めた一年組は未だその場で駄弁り続けている。
rb「…なぁ、A」
ふとしたタイミングでロボロが声をかける。どうしたのかと聞けば、まるでマシュマロみたいなくしゅくしゅとした笑みでこう一言。
rb「おかえり」
途端、ぎゅいんと重力に引っ張られるような何かが体を突き抜ける。…なんだこれは。
頭の中では込み上げてくるものと今までの記憶が交通事故を起こす。キキードカーンガッシャーン、それはそれは大事故である。
shp「なっA⁉︎」
zm「ちょちょちょロボロお前一旦離れろ!」
異変に気づいた2人が即座に俺を支え、かつロボロとの壁として立つ。
kn「お前なんで目ぇ回しとるんや」
シャオロンが夏休みに経験した目を回した時のことを思い出した。なるほど俺は今同じようにパニックになっているらしい。
sha「ロボロお前何したんやー?」
rb「おかえりって言っただけ…やけど」
ut「それだけであそこまで目ぇぐるぐるさせんやろ」
ウツよ、俺はそれだけでこの状態になってるのだ。
前世を思い返せば中学から"その言葉"を貰う機会が減っていたことに気づく。特に自分の性自認を理解して以降は、親の希望なんぞに応えるなんてしたくなかったため会話すらなかった。
転生後は尊敬語になった状態で言われていたし。まっ正面から言われたのはいつぶりだったっけ?
ci「んふふ、大丈夫かぁA〜?」
スケアリージャックの時のことを思い出したようで、1人チーノは楽しそうに俺の頭を撫でに来た。
キッと睨んでも可愛いしか言ってこないコイツの目はどうなっているのか。メガネの奥の瞳は不明である。
「…う、るさい。横腹どつくぞ」
ci「やっぱ口悪い方なん?」
指先を揃え真っ直ぐ狙えば軽々と躱される。俺が本気でどつくと分かったからかチーノは大焦りで謝ってきた。
kn「また不機嫌モードか?」
ci「いやいや部長、これは照れか「おらっ」……」
チーノを静かにさせると察していたのかショッピがケラケラと笑う。ついでにコネシマにも不機嫌ではないと訂正をしとく。
そして息を軽く吸って全員の方を見る。恥ずかしさによるものか頬をカリ、とかきながらボソボソ言った。
「た……だい、ま」
少しの静寂。聞こえてなかったかと思えば、皆が揃って返す。
おかえり、と。
魔力暴走編____complete！
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作者名：あんべべ | 作成日時：2022年2月8日 15時
