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どちらが蛇か、どちらが兎か。
固まっているのはどちらか、もしくはどちらもか。
__________否。固まっていたのは1人だけ。
ゾムは弱々しく口を開く。
zm「そんな…そんな風に言わんでや」
ぽたり、ぽたり。
雫が翡翠の瞳から零れ落ちた。
あぁ…泣かせる気なぞ、毛頭無かったというのに。
どこかルナに左胸を撃たれてから勝手が違くなっているようだ。
それでも、嫌だと言われたとしても。
何で俺のことを心配をするんだ？どうして涙を流す？
この状況と、ゾムの発言を受け入れられない自分がいた。
左胸に冷たい風が吹き抜けるような感覚が走る。
まるで何もないのかと思うほどに、風は綺麗に吹き抜けていく。
(寒い。キュウ、と首を締め付けられるような心地がする)
「ごめ、、、ん、、、」
ふと口から漏れ出たのは謝罪の言葉。
行く宛も何宛かも不明の短い3文字。
気づけば俺の視界はボヤけて、夢のフィルターが現実にも貼られたような状態になった。
「ごめ、ゾム様……ごめんなさい……」
一度溢れると後の水は嫌がおうにも続いて行くものである。頬へとひとつ、ふたつと流れていく。
…えぇー、心が壊れた方が泣けるんだぁ。
奥底で、誰かが意外と笑った。
ーーー
ゾムは自分が泣いてるにも関わらず、子どもをあやすかのように…ポンと一定間隔で背中を触ってくれていた。
「…ゾム」
zm「ん?」
「……今まで……その、、心配とかされることが無くて…だから……だか、ら…」
ただでさえ辿々しい説明の中で、涙が溢れて中断がされる。その姿を見てゾムはケラケラと笑いながら涙を掬った。
zm「あーあー。そんな泣いたら目ぇ腫れるで?」
「なん、か……止まらッ…なくて…」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年12月1日 18時
