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「ゾム様、どうし………⁉︎」
聞こうとすればまた胸が痛みだした。
苦しんで呻き声をあげるとゾムはハッとして俺から離れる。
zm「A⁉︎今先生を……!」
あ…ここから居なくなると気づいたその時、痛みで上がるはずの体温が急激に下がり始めていた。
「……ゃ…やだ…」
俺はゾムの腕を掴んだ。
驚いたのか目を見開かれるが、彼は微笑んで抱きしめ直してくれる。
大丈夫、側におるよという言葉と共に。
(なんだろう、とても暖かい…)
数分経てば痛みも寒さも無くなっていたのだが、もう少しこうしてたくて静かにしていた。
その間ゾムは頭をヨーグに抉られていた傷へ魔法をかけてくれたのか、腕の痛みも徐々に弱まってくる。
「ありがとうございます」
zm「もう大丈夫か?」
「……あと少しだけ」
我儘を言った気もする。
しかしゾムは嬉しそうに笑ってわかったと言ってくれた。少し顔を上げれば、優しげな瞳と視線が交わる。
パチパチと瞬きを繰り返せばどうかしたのかと聞かれ、何となく質問を考案。
「なんでさっき抱きしめてくれたのですか?」
zm「……今の状態になってたから」
そこまで酷い状態だっただろうか。外傷は腕だけの気がしていた…のだけど。
首を傾げているとゾムは隣に座り鏡を用意してくれた。
鏡に映るはキャラメルのような髪色の中に一部分だけある白のメッシュ。しかし瞳だけは違っていた。
「濁ってる…」
砕かれたの影響か。見事なまでに光が消え去り、ドロドロな…綺麗とは決していえない状態となっていた。
zm「な?見たら誰だって抱きつくやろ」
「いや……」
こんなの何も変わらない。
そう言おうとしたがどうも続きが出て来なかった。
理由としては1つ、ゾムの表情のせいである。
普段とは違いフードがないためはっきり見えてしまうわけで…なんとも痛々しい顔をするものだ。
どうしたものかと考えるが、今の状態ではできることも少なく。
「ゾム様」
俺は彼を見て言う。
「大丈夫ですよ」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年12月1日 18時
