恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅵ【男主】 (ページ20)

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担任から帰宅を促され、ロボロとショッピの3人で廊下を歩く。

ほとんどの生徒がいない校舎はまるで夏休みのような静寂。しかし空気は重く残暑が続いていたとは思い難い冷たさを持っていた。

「……」

ジジ…とノイズが視界に映った。
直後、まるでカラーセロハンを目の前に出された時のように色がクルクルと変化して、俺の頭の中をぐちゃぐちゃに変えていく。

心の奥では何かが蠢いているのか、這っているのか。
ゾワりとくる嫌な感覚におえと吐き気を覚えた。

不快、この一言が全てを表している。
脳で認識をすると同時に心の底から黒い液体が迫り上がって……

(なんだか心がぐにゃりと歪んだ気がする / いや、これはシナリオ通りか)

ーーー

rb「あれ……クラシアさんと大先生や」

中庭が一望できる所まで近づいた時、ロボロの発言で視線を移す。
そこにはルナが中庭の中心で光魔法を使っている様子が見えた。

彼女が手を動かし現れた優しい / 不気味な光の後、植物たちが息を吹き返す / 戻された。

(あちらも順調にシナリオが進んでいるようで)

主人公は説明を受け終わった後、警備隊に所属するペイント直々に頼まれて共に中庭へ調査に訪れる。

ウツも同じくペイントから頼まれるのだが、こちらは警備隊の手伝いをしている生徒会から駆り出された…と言うらしい。

手紙に書いてあったことをもう少し思い出したいが、頭痛が邪魔をするためまた今度。

rb「あれ、なんかクラシアさん困っとる」

ルナはどうしてといった表情をしている / ざまぁないな。

あの生徒が使った魔法は旧式…となれば普段の感覚で使ったとしても光が確実に勝てるなんて理論は通じない。

shp「そうですね。…て、A？」

本当は行きたくないのだが / 来てという声に従って中庭へと足を進める。
せめて一言 / 何も言わずにただただ前へと歩く。

An『ふふ、ご主人サマ。行っテらっシャ〜い』
『楽しんでて何より / 何を呑気に……頼んだぞ』
An『は〜い♡スタンバイ完了でーす!』
『ありがとう。…それじゃ』

行ってきます__________。

中庭に足を踏み入れた瞬間、大きな目眩と共に何かが完全に心を黒に染めた。