・ …pause… ページ27
割れた音と共に俺は後ろへ座り込む。
痛い、痛い痛い痛い！！！
血も流れていないのに、心臓に何かされたわけでもないだろうに、左胸が痛みで悲鳴を上げた。
(あのやろう…！！)
左手で押さえながら主人公を見る。
主人公へのプレッシャーは完全に解除されてしまったようで、先ほどとは真逆の構図が生まれていた。
…いや、そもそもプレッシャーが効いていたなら魔法は使えない。一芝居打たれたのか？
lu「皆さんを傷付けたこと…絶対に許しません。今までの事件だってそう、貴方が全部仕組んだんだわ。私が悪である貴方を…‼︎」
主人公が大量に魔法を発動せんとこちらへ魔法陣を向けてくる。
ゲームと違うじゃねぇか…そもそも耐久戦だと書いてあったし俺を倒すのは駆けつけたキョーとレウのはずだ。
アンがいるのは中庭が見える屋上…となれば報告のすぐ後に来ておかしくなかったのに。
誰かが足止めをしていたのか…?
「クソが…!」
ドス黒い感情が口から漏れ出る。
ut「ルナちゃんちょっと待って！そこまでやったらあかん‼︎」
lu「そうだった。後で3人にかかってる術も解かなくちゃ………これで終わりだよ‼︎」
shp「A…！」
悍ましい光で視界が徐々に潰されていく。
ごめんミドリ、レウ。受ける量とんでもないものになっちゃった…。
ーーー
眩い光の後、ゼペル・Aはその場から消え去っていた。
?「あーあー。久々に学院に戻って来てみたら…」
3人は空を見上げる。そこには赤い髪を風に靡かせる魔術師が1人。
その腕の中には気絶をしているAが。
先程のルナからの攻撃は少なからず受けてしまっていたのか、腕からの出血量が増え、地面へとぽたり、ぽたりと溢れていった。
lu「……！？」
ut「トモさん…!」
tm「こんにちは。とりあえず2人にかかってる威圧の魔法だけ解除しようか」
パチンと指を鳴らせば、ウツとショッピの体の自由が戻ってきた。
lu「学院長……どうして…」
ラウドナ・トモ。
彼こそが魔法学院の学院長であり、ルナを学院へ推薦した張本人である。
tm「高い魔力反応に気づいてね。気づいたらこんな状態だよ」
ut「と、トモさん!Aちゃんは⁉︎」
tm「危険な状態だけど、命は平気だよ」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年12月1日 18時
