恋愛ゲームの悪役に転生。だが男だ Ⅵ【男主】 (ページ15)

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どうなっているのだろうか。
紅く、赤く、まるで…

An「ご主人サマー！」

例えの表現を行おうとしたところでアンにどつかれた。ゴッフ、と腹から息の抜ける音を鳴らす。
体調不良だと言っているのにこの人は容赦がない。

An「素晴らしいほどのレイブン状態デスわネ！」
「レイ…なんて?」

おや知らなイのデスかとアンは解説を始めた。

"レイブン"
元の世界では烏や黒といった意味合いで使われていた言葉。しかしこの世界では異なる。
月との共鳴により、闇属性を扱う者の魔力が増大し魔法の威力が格段に上がる状態を指すらしい。
共鳴時、月は赤に染まるのが特徴なんだとか。

「いや月との共鳴って?」
An「正確に言うと闇元素の核との共鳴です。月とはワタシ達闇属性にとっての象徴。あそこから闇属性の元素が発生しているノですヨ。
そして、今のご主人サマはその核と波長が重なり合ってまして…」

神様からの手紙には一切書いてなかった情報についていけず困惑する。

とりあえず説明を一通り聞いて、月がとんでもない存在な事。今の俺は元素を魔力に変える体内の回路と、魔法の制御のブレーキが外れてる状態って事は理解した。

また、後日レウからは先天的な闇属性を操るものしかレイブンは起きないと聞かされた。

「懐中電灯が付かなかったのも威力に耐えれなかったからか…」
An「ソレ今ついてマスよ、闇属性の黒い灯が。
だから烏が集まっタわけデス。…あ、ワタシは言われタ事を遂行しタついでニ来ましタ!」

お疲れ様と言って頭を撫でる。
すると静かにしていたレウが俺を引っ張り、腕の中に閉じ込められた。

An「あら、レウ先生サマ大変そうデスわネ。よほど蜜ノ虜になってルご様子」
「……ん?」

ふと気づいて俺はアンに質問をする。

「いつから俺はレイブンになってた?」
An「ワタシもはっきり気づいタのは今デスが…恐らくご主人サマが外に出た時にはモウなってイタと思いますマス!」

なるほど。つまりレウにあげた蜜は普段の数倍強いやつだった…と。そりゃ未だにこんな状態だよなと1人納得する俺。

「レウ、さっきの蜜は美味しかった?」
re「うん。……またくれるの?」

いつものしっかり者で時にいじられキャラのレウからは想像できないほどの姿。
それを見たアンは「若いデスわネ」と頬に手を当て言った。