24話 シバく ページ25
今日は涼太がモデルの仕事で、学校に来ていなかった。
お陰でとても静かな日常を送れたよ。
私が鞄を持って、部室まで歩いている最中、後ろからトントンと肩を叩かれた。
振り返って見てみると、目の前にはとても大きい人が立っていた。
一瞬混乱したが、視線を上げ、顔を見る。
『あれ涼太?仕事は?』
「もう終わったっス!今日はこの近くの海で撮影があったんスよ」
『へーモデルさんって大変だね。あれ、でも今日部活も休むんじゃなかったの?』
「ああ、Aっちを迎えに来たんス!」
『え?どういうこと?』
「じゃあ行くっスよ!」
そう言うと涼太は私の腕を掴んで走り出す。
振りほどこうとしたが、今回はガッチリと私の腕を掴んでいた。
『ちょ、涼太!どこ行くの!?部活あるんだよ!?』
「黒子っちの所に行くんスよ!」
『はあ!?まさか今から東京行くの!?』
「そのまさかっス!」
そのまま涼太に引っ張られ、流されるがままに東京へと向かっていた。
...幸ちゃんに怒られる...!
とりあえず、幸ちゃんに連絡をしておかなければと思い、電車の中でLIMEを開く。
涼太はと言うと、私の隣に座って、鼻歌を歌いながら、売店で買ったグミを食べていた。
いつか痛い目見ればいいと思う。
〜
部室で練習着に着替えていると、ロッカーに置いておいた携帯がピロンと着信音を鳴らし、通知が来たことを教えてくれる。
「あ?LIME?この時間に誰が送ってくんだよ」
誰かと思い、携帯の開くと、
【Aがメッセージを送信しました】
と表示された。
「笠松、誰から連絡来たんだ?」
「あーAから。どうしたんだあいつ?」
何かあったのかと、少し心配をしてLIMEを開いた。
A幸ちゃん、涼太に誘拐されました。
Aこれから東京の誠凛へ行くみたい。
A多分時間までに戻ってこれないから、今日部活お休みします。
Aいつか涼太シバく
俺はこのLIMEを見て、絶句した。
「笠松、携帯持って震えてどうしたの?」
小堀は俺の様子を見て心配そうに声をかける。
「黄瀬ふざけんなコノヤロー!!!!!」
俺の声は校内すべての場所に響き渡った。
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笠松もみじ(プロフ) - ハチ公のままさん» 面白いと言っていただきありがとうございます!そしてわざわざ間違っている所を教えてくださってありがとうございました!射手座と勘違いをしておりました...すぐに訂正させていただきます! (2017年12月30日 11時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公のまま(プロフ) - 話がとても面白いです!しかし、11月は山羊座ではないです… (2017年12月30日 10時) (レス) id: 76036e92ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年9月30日 23時