20話 頑張ろうね ページ21
チュンチュンと鳥の鳴く声が聞こえる。
朝はまだ冷えるなあと思いながら、お弁当と教科書が入った鞄を持って、私は玄関先に立っていた。
数分もすると、隣の家のドアが開く。
『幸ちゃんおはよー!』
「はよ。寝みぃ...」
『ほら、早く行くよー』
「へいへい」
私は幸ちゃんの隣を歩きながら、喋りかける。
『昨日は肉じゃがありがとうね、今日お弁当に入れてきたよ』
「ああ。俺の弁当にも入ってたわ」
『あ、幸ちゃんまた昨日窓閉めるの忘れてたよ!ちゃんと閉めてよー!』
「わりいわりい」
『絶対悪いって思ってない...』
その後も色々なことを喋りながら、歩いているとあっという間に学校へと着いた。
『じゃあ幸ちゃん、私職員室寄らないと行けないから』
「おう。じゃあな」
『うん』
幸ちゃんの後ろ姿に手を振り、私は職員室へと向かった。
〜
『監督、おはようございます。プリント貰いに来ました!』
「おお、来たか。宜しく頼むな」
そう言って監督は、入部届けのプリントを手渡す。
『はい!では失礼します!』
礼をして職員室から出て、私の教室1-Bに向かっていると、男子生徒から話しかけられた。
「あ、白川さん!」
『吉田くん!おはよう!』
「おはよう。俺の名前覚えててくれたんだね」
『勿論だよ!昨日は手伝ってくれようとして、ありがとう』
「いやいや。あ、もし俺に出来ることがあったら、なんでも言ってね!」
『うん!あ、ところで何か用だった?』
「ああ、入部届けを貰いに来たんだけど、もう貰える?」
『さっき貰ってきたところだからあるよ。はいどうぞ』
プリントの1枚を吉田くんに渡す。
「ありがとう!」
『これから一緒に頑張ろうね!』
私がそう言うと、吉田くんは頬を少し染めていた。その後オーバーリアクションで頭をかいて、頑張ろうと言ってきた。
私が荷物を持っているという事で、そこで話は終わり、また部活でと言い、私は教室に入っていった。
朝のHRが始まるまでの時間、多くの1年生が私の元に入部届けを貰いに来たので、少々疲れた。
そうそう。私、涼太が同じクラスだったという事を初めて知ったんだけど、さらに隣の席だということに私は驚きを隠せなかった。
これはとてもうるさい席になりそうだなーと思いながら、1限目の準備をした。
85人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
笠松もみじ(プロフ) - ハチ公のままさん» 面白いと言っていただきありがとうございます!そしてわざわざ間違っている所を教えてくださってありがとうございました!射手座と勘違いをしておりました...すぐに訂正させていただきます! (2017年12月30日 11時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公のまま(プロフ) - 話がとても面白いです!しかし、11月は山羊座ではないです… (2017年12月30日 10時) (レス) id: 76036e92ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年9月30日 23時