14話 幸ちゃん ページ14
幸ちゃんと歩いて帰っている最中、幸ちゃんは私の鞄の紐で遊んでいた。
わかります?とっても可愛いんです。
ギャップ半端じゃないんです。結婚したい。
「つか、お前なんで先輩呼びなわけ?」
『幸ちゃんが中学の時に、幸ちゃん呼びは恥ずかしいって言ったんだよ?』
「あーそうだったっけ?」
そう。中学の時、私が学校で幸ちゃんを見かけて呼んだら、幸ちゃんと一緒にいた友達に冷やかされてしまったらしい。
それ以来、幸ちゃんが恥ずかしいから呼ぶなと言ったので、学校では笠松先輩と呼んでいるのだ。
その時、顔を真っ赤にして友達の冷やかしをうるさいと言っていた幸ちゃんはとても可愛かったですまる。アレ作文?()
「お前が敬語だと慣れねえわ。しかもちょいちょい幸ちゃんって言いそうになってただろ」
『幸ちゃんに久々に会えて嬉しかったんだもん!明日はそんなミスしないから大丈夫だよ!』
「そーかよ。つーか、さっき母さんからLIMEが来たんだけどよ...」
母さん幸男!今Aちゃんと帰ってるんでしょ?
幸男は?なんで知ってんの?
母さん一緒の高校になれて良かったわねー!
母さんあ、そうそう。今日はAちゃんの合格祝いだから、ご飯に誘っておいてね!
幸男いや、人の話聞けよ母さん
「ちなみに最後は未読無視されていた...」
『うわ〜!幸ちゃんのお母さんのご飯だ!楽しみだな〜!』
「てかなんで母さんは高校知ってるんだよ!」
『言ったからね。親代わりなんだし普通言わないとダメでしょ?』
「そうだけど!なんで俺には言ってないんだよ!」
『サプライズです!』
「嬉しくねえ!」
私が『えへへ』と笑うと、幸ちゃんは長い長いため息をついて、顔を背けた。
あ、いじけちゃった。
いじけた幸ちゃんは、さらに私の鞄の紐で遊んでいた。まるで猫のようだ可愛い。
こうなった時は放っておいてもいいんだけど、手っ取り早く機嫌を直す方法があるのだ。
『幸ちゃーん、怒ってる?』
私は幸ちゃんの頭を撫でる。
昔幸ちゃんは、転んだり喧嘩をしたりすると、よく泣いていたのだ。
まあ、私が幼稚園の時までだけど。
幸ちゃんが泣いている時、慰めようと頭を撫でてあげたら、気持ちが落ち着いて泣き止んでいたのだ。
「怒ってねーよ。撫でんな」
そっぽは向いたままだけど、機嫌は直ったみたいだ。
『結婚しよう』
「黙ってろ」
85人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
笠松もみじ(プロフ) - ハチ公のままさん» 面白いと言っていただきありがとうございます!そしてわざわざ間違っている所を教えてくださってありがとうございました!射手座と勘違いをしておりました...すぐに訂正させていただきます! (2017年12月30日 11時) (レス) id: a42261d885 (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公のまま(プロフ) - 話がとても面白いです!しかし、11月は山羊座ではないです… (2017年12月30日 10時) (レス) id: 76036e92ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴよ子 | 作成日時:2017年9月30日 23時