標的4 不良転校生 �� ページ9
小塚はあまり土地勘のない道を歩いていた。強い風も吹いていて、なんだか少し心細い。なぜ勤勉な小塚が家で勉強せず、街中をふらふらと歩いているのかというと，休みの生徒へのプリントと連絡を押し付けられたからだ。小塚は温厚な性格ゆえ、教師からのその頼みを強く断ることができなかったのだ。もし上杉や黒木が同じクラスだったなら、冷たくあるいは波風が立たないように断ってくれたのだろうが、彼らとはクラスが離れてしまっている。小塚は彼らのいないクラスの少しの寂しさを思い返しながら教師に教えられたマンションへと向かう。
今日休みだったその生徒はつい昨日転校してきたばかりの少年だ。名を獄寺隼人という彼は銀髪で翠眼という外国人然とした容姿をしている。態度は良いとはいえず、不良のような彼だが、転入試験を難なくクリアしてきた秀才であるらしい。転校初日から早退した一匹狼のような彼へとプリントを渡さなければならないことに小塚は不安を感じているのだ。正直にいうと少し怖い。
早く渡して家に帰りたい。その気持ちを抱えたまま小塚はマンションの部屋番号を押した。このマンションはいわゆる高級マンションで一人暮らしには大きいだろう。彼の生活を想像していると、テンキーの方から訝しげな声が聞こえてきた。
「…はい」
「あっ、あの同じクラスの小塚だよ。先生に言われてプリントを持ってきたんだ。」
要件を伝えると向こうの彼は少し考えているようで間が空いた。少しの間の後に彼が口を開いた。
「悪いが上まで持ってきてくれるか。」
「全然大丈夫だよ。上がるからまってて。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤シートメガネ(プロフ) - enoka_017さん» お褒めの言葉ありがとうございます。KZメンバーの描写は特に表情や仕草にこだわっているのでそう言っていただけてとても嬉しいです。KZよりの作品ですのでこれからも楽しんでいただけると思います。また機会がございましたらREBORNも読んでみてくださいね(笑)。 (2021年9月10日 21時) (
レス) id: 1a1e090d12 (このIDを非表示/違反報告)
enoka_017 - 私はREBORNに関しては浅学ですがKZメンバーの描写が丁寧且つ明瞭で楽しく読ませていただきました。続きも期待しております (2021年9月10日 18時) (レス) id: 268e8d600c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤シートメガネ | 作成日時：2021年9月8日 22時
