15話_初めまして。 ページ18
昨日は楽しかったなあ。
また行こう、山田家。
あ、また顔見せに行くって言って寂雷先生の所行ってないじゃん。
行こう。
えっと……この道であってるよね。
何か違う気がする。おいスマホのナビ。
私には方向音痴属性はないはずだが。
ん?あれって独歩?道の端にしゃがみ込んでる。でも他の人達は見て見ぬ振りをしている。
何かやつれて死にかけてるけど、大丈夫かな。
『あの、大丈夫ですか?すっっっごく顔色が悪いですけど。』
独「っっ!す、すみません。他人にまで心配されるだなんて……。俺が悪いんだ。俺が、俺が俺が、俺が俺が俺が……ゴホッ、ゴホッゴホ」
え、大丈夫??
『び、病院行きましょうか。』
独「じ、実は、今からシンジュク病院に行くところだったのですが、目眩が酷くなっていまい、今こうして少し休んでいたのです。」
『あ、そうだったんですか。私も今からシンジュク病院に行く途中だったんですけど、迷ってしまって……良ければ一緒に行ってもいいですか?』
言っておくが、これは私得でしかない。
だめと言われてもついていく。しがみつく。
執念だ。
独「えっ、俺なんかでよければ……。本当にいいんですか?」
『病院の場所わかんないんで。』
あなたがいいんです。
独「じゃあ、行きましょうか。」
『はい。』
やったね。
にしても、酷い隈だなあ。
そして綺麗な顔。
サラリーマンって、毎日大変なんだろうな。
独「あの、俺の顔に何か付いてますか……?はっ、お、俺の顔なんて見てる訳無いよな……すみません。」
『いや、あなたの顔見てました。綺麗な顔してるなあと思いまして。』
独「へっ!?」
こっちを凄い勢いで振り向いた独歩は顔が真っ赤だった。
いや可愛すぎるだろ。
『あ、そういえば名前知りません。私、暁Aっていいます。あなたは?』
独「お、俺は、観音坂独歩という、しがないサラリーマンです……。」
いつも通り初めて聞いたふりをする。
『へぇ、大変そうですよね、サラリーマンって。』
独「わかって、貰えますか……!?」
適当に相槌を打ったのが正解だったらしい。
色々溜め込んでるんだろうなあ。
話を聞いたりするのは得意だし、愚痴って楽になって貰おう。
幸せに生きてほしいからね。
『私で良ければ、お話聞きましょうか?』
独「……いいんですか……?」
『私の話聞いてましたか??』
独「うっ、じゃ、じゃあ、遠慮なく。」
独歩はポツリポツリと話し始めた。
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作者名:雪兎 | 作成日時:2019年7月16日 2時