12話_いちにい戻ってきて。 ページ13
二「ん。」
コップに水を入れて持ってきてくれた。
と、その時。
ガチャ
三「一兄、只今戻りました!」
可愛い声が聞こえた。
が、誰も返事はしない。
私も二郎くんも一兄じゃないからね。
三「一兄……?」
すると、隣で二郎くんがチッと舌打ちをした。
二「あいつ、俺には只今も言わずに、"一兄"を強調しやがって……。」
確かに。余計なことには鋭いんだね。あっ
またやってもうた。
しばらくすると、リビングに三郎くんと思われる人物がやってきた。
三「おい低脳。一兄はどこだ。」
めっちゃ睨んでる。
おいおい兄貴は大切にしなさいよ。
二「ああ!?誰が低脳だこのやろう!兄ちゃんはなあ、用事があって出かけたんだよ!そんな事も知らねえのか?」
三「ふん、お前だって内容は知らない癖に……ってその人は?」
やっとだ。
待ってたよ三郎くん。結構長い間。
『私、暁Aっていいます。一郎くんの友人です。訳あって、一郎くんが出かけてる間お二人のことをお守りする事になりました。よろしくね。』
三「お、お守りって……。僕は、山田家の三男坊、実質次男坊ですかね、山田三郎といいます。宜しくお願いします。」
二「おいなんだと!?お前は正真正銘俺の弟だ!兄貴に舐めた口聞くんじゃねえ!!」
三「はあ?誰もお前の事をとやかくは言ってないだろ?それとも気づいちゃったのかなあ、自分が弟よりも頼りないって事をさ!」
二「んだとこの野郎!上等だ、その喧嘩買ってやんよ!!」
はぁ……。いちいち喧嘩の売買をするんじゃないよ……。疲れる。
『あのねぇ、2人とも?もう子供じゃないんだからさ、喧嘩はやめよ?ほら、時間の無駄じゃん。』
二「大体な、お前はちょっと頭が良いからって調子に乗りすぎなんだよ!勉強はできても兄貴を尊敬するって当たり前の事が出来てなかったら意味ねーんだよ!!」
三「僕はちゃんと兄の事は尊敬してるさ。"兄"の事はね。尊敬して欲しいんだったらその尊敬出来る長所の1つや2つ教えてくれよ。それに、勉強出来ないからって道徳説くとかやめてくれる?見苦しいから。」
こいつらなあ……。
拳骨していいかな?
それはさすがにだめだから本気で怒る。だけにしといてやる。
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作者名:雪兎 | 作成日時:2019年7月16日 2時