11話_頑張れ。 ページ12
しばらくゆったりとした時間が流れた。
私はラノベを読んで、二郎くんは宿題をやって。
二郎くん全然質問とかしてこないし、意外に勉強出来んじゃんって思ってワーク覗いてみたら真っ白だった。
いや何やってたんだよ。
『ぶっ、何も書いてないじゃん。分かんないとこは聞きなよ?変に見栄張らないでさ。』
二「べっ……つに、見栄は、張ってねーし……。」
『どれどれ〜?あは、こんなん簡単じゃん!ここは、こうやって、……公式を使って解けばいいんだよ。』
二「ぐっ……な、なるほど。じゃあ、ここはこうか?」
どうやら二郎くんは飲み込みが早いらしい。
一問基本の問題の解き方を教えただけで、すぐに次の問題も解いてしまった。
すげえな。
『なんだ、二郎くん賢いじゃん。次のテスト頑張ってみなよ。今までがどうだかは知らないけどさ。』
すると、二郎くんはもごもごと何かを言った。
二「…………てん、……かで…………」
本当何言ってんのか聞こえない。蚊がなくような声。
『は?なんて?ごめん、全然聞こえなかったんだけど。』
別に私は怒っていない。これが通常運転なだけだ。
二「っ!だから!赤点ばっかだっつってんだよ!!」
なんで逆ギレされた??
怖いんだけど???
まあ私の言い方も悪かったのかも知れないな。
『だから、次のテスト頑張ってみなって。私も出来る範囲でなら教えるし。っていっても私もたいして頭良くは無いんだけどね。』
二「俺よりは、いいだろ……。」
よくわかってんじゃん。
あ、また癖で。本当に悪気はない。
『大丈夫。今は、結果の事は考えずに努力してみる事だよ。それが大事なんだよ。例え結果が良くならなかったとしても、努力したという事実は二郎くんに少なくともマイナスにはならない。いつか必ず、結果はついてくるから、心配無用だよ。』
何かババくさくなってしまった。
二「ほ、ほんとか?こんな俺でも?」
『それは二郎くん次第だから。私に聞かないで。ま、頑張れ。』
そう言って二郎くんの頭をぐしゃっと撫でた。
すると、二郎くんの顔が赤くなった。可愛いね。
二「……ありがとう。」
『ん。私喉乾いたんだけど、お水貰ってもいいかな。』
二「おー。ちょっと待ってろ。」
むくっと立ち上がり、一階に降りていく二郎くんについて行く。
態々勉強中断させちゃって申し訳ないな。
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作者名:雪兎 | 作成日時:2019年7月16日 2時